2022の桜花賞 郡司と松浦の同着優勝。
23年はバンク改修もあり、2年の時を経て決着の時が来たか…
バンク改修後、初の記念開催となった川崎競輪場。
川崎競輪場改修中に川崎の、神奈川の、いや…南関のエースだった?郡司浩平がSSを陥落してしまったのであった。記念すべき改修後の記念を黒いパンツで出走した郡司。2年前の決着はつけることはできたのか。
追加もあり素晴らしいメンバーが揃った。地元のエース郡司はもちろん。SSからG P王者松浦、深谷、清水、佐藤慎太郎の4名である。
同着再び??
初日特選は神奈川勢と深谷と別線で戦うことに?郡司はこの件について「まとまるだけが結束力というわけでもない。」とコメントしたが正直、意味がわからずにいる。
深谷にもチャンスをという意味だったのだろうか?
レースは北井がつっぱり深谷の上昇を跳ね除け、そのまま先行体制に入る。清水の捲りに郡司のブロック、大外から深谷の強襲で見事1着。深谷の脚を見せつけられた初日特選であった。
そして、2着はなんと2年前を彷彿とさせるような松浦と郡司の同着であった…
何かの因縁でもあるかのような同着…2年越しの決着は決勝まで持ち越すことに…
SS不在??
二次予選のメインレース12Rに赤パンがいないという珍事というか。確実な忖度があった。良い悪いはさておき、今年郡司はSSでないため、二次予選ではSSと勝負することになるので昨年より確実に番組に恵まれないわけであるが、川崎競輪にはお構いなしであった。6Rから二次予選であるが、6R〜8Rに地元のエースを持ってくるわけにもいかなかったのか、SSと走らせて敗退させるわけにもいかない川崎競輪がとったのは12RのメインにSS不在の番組に割り当てたのだ。4人のSSはそれぞれ8R9R10R11Rであった。それも前年のGPチャンピオンを差し置いて、ここまであからさまな番組を組むのだからすごい。記念というのはそういうものだ。と言われればそういうものだし、番組屋も一体となって戦うのが記念開催である。と言われればそうなのか。となる。
くどい様だが良い悪いはさておき、どう思うかは人それぞれではある…。しかし今後の川崎の特別競輪開催だけは少々心配である。
平原記念と呼ばれたあの大宮でさえ平原をSS出走前の9Rにしていたくらいなのに。
準決勝
準決勝もGPチャンピオンの松浦が11Rで郡司が深谷と一緒に12Rという”はからい”であった…
ここまでしないと決勝までいけないと思われているのか?それとも売上低迷を危惧しているのかわからないが、個人的にはGPチャンピオンの松浦に対しての敬意が足りないような気がした。
佐藤慎太郎こそ二次予選で敗退したものの、SSにとってアウェイの中でも強さは目立ち、決勝進出を決めていた。
松浦は九州四国ラインの3番手につきバックでは6番手ながらも最後はしっかり3着に残る末脚だった。
深谷は地元を背負った時に見せる死に駆けともいえる先行をここでも見せた。SSらしからぬといえばSSらしからぬ走りなのだが、深谷らしいといえば深谷らしい走りではあった。
ただ大宮記念と違ったのは、赤板で一度引いたことと番手の郡司が車間を切ったり、牽制を交えたこともありなんとか3着に入った、辛くも決勝進出を決めた。
5車結束
無事というべきかどうか?松浦と郡司が決勝に勝ち進み、2年ぶりの決着をつける時が来た。
郡司は深谷の番手。さらには南関5車結束という布陣に対し、松浦は清水の番手に恩田が3番手を固めるという即席ラインで迎えうつ。
先頭は深谷、番手に郡司は自然だが、3番手は松谷が主張、堀内が4番手となった。
これまで地区の先頭でやってきただけに堀内はこの並びに納得いっていない様子だった…逆に松谷は3番手を主張したからにはそれなりの動きが期待された。
GP王者がいるので1番車は松浦なので、5車結束とはいえど前受けは厳しいと見られた。清水が前受けから深谷の追撃を突っ張るか、もしくは番手の郡司のところを狙い撃ちするだろうと見られたが赤板では深谷のスピードが凄まじかった。
「ハコにいけたらよかった」と清水のコメントからわかるように深谷のスピードが番手の郡司を守ったのだ。
郡司まで前にでたところで清水が3番手を取りに。南関ラインの3番手松谷も意地の粘りを見せたが、最終1センター付近で力尽きた…ここで南関ライン3番手以降は崩壊。
しかし、3番手を主張した松谷のこの功績は大きかった。バンク1周分、約400mに渡って清水の脚を削り続けたのだ。これが堀内だったらどうだったかと考えるのもまたおもしろい。
そしてそんな堀内の動きも見逃してはならない。4番手堀内も松浦と並走し、松浦の脚を削ったというのだ。松浦がレース後にあの並走で脚を使ったとコメントしていた。
最後は、郡司の駆け引きも光った。深谷はゴールまで全力で踏んでいくが、郡司の出どころによっては清水松浦まで連れて出て行ってしまう。もちろん深谷があれだけ早くからカマシておきながらタレなかったというのも大きいだろう。
勝負は4コーナー回ったところできた。
清水も松浦も出るが、深谷のスピードをもらい番手からでた郡司を抜けるものはいなかった。
競輪の面白さ、S級S班の凄さ
2年前の同着から今節の初日特選の同着と、2回を記録した川崎記念は2年の時を経て決着がついた。郡司は同一大会5勝目となる4連覇も達成。
ラインの結束力を持って別線に立ち向かい、勝利をもぎ取りにいく姿。これぞ競輪という素晴らしさを改めて感じながら、同時に中国地区2人のSSの強さの凄まじさ…
5人であっても簡単に崩せないどころか3番手以降は逆に崩されるほどの破壊力だった。
やっぱり気になるあの言葉、郡司浩平という男は?
郡司が前検日に残したコメントの真相がいまだにわからない。
そう、あの「まとまるだけが結束力というわけでもない。」というコメントだ。
南関の決勝レースを見た後、さらに準決勝から深谷と連携を組み、深谷のおかげと言っても過言ではないほどの深谷の走りをみた後…
まとまるだけが結束力ではない…謎は深まる一方である。むしろこのコメントは決勝の南関の結束力を台無しにしていないか?
そしてもう一つ ”SSの深谷”がこれだけ郡司に尽くした走りをしたわけだ。静岡記念は是が非でも深谷を優勝させるべく走るべきだ。間違っても”今年は”静岡記念で…
最後に断っておくが、決してアンチ郡司ではない。
が、2023年の静岡記念の走りと小田原記念の走りを見て郡司の思考や立ち回りに疑問を抱いているのは確かだし、川崎競輪を含む、郡司を取り巻く周りの環境も含め、郡司にとってプラスではない気がする…