2024年最初の記念は大宮からスタート。
500バンクは予想が難しいという人が多いので、年明け早々苦しんだ方もいたのではないでしょう。一方で特大車券も飛び出したので思いがけないお年玉をとった人もいるのではないしょうか。
一部のファンからは平原記念と呼ばれているらしい…今回も平原抜きには語れない記念となった。
初日特選ではサプライズと番狂わせ
前検の並び発表でサプライズがあった。SS深谷と地元平原に成田和也が並ぶことが決まった。平原は準決勝でも深谷の後ろを回り、レース後にはこれからは他地区との連携も増えるとコメントを残していた。これはSSでなくなったからなのか、自力で走ることが少ないことを示しているのか?真相はわからないが、ラインや地区で決めたがる平原が他地区に付くと言うのは何か心境の変化があったのは間違いないだろう。
そしてタイトルホルダー8人、合わせてGPタイトル5回 G1タイトル28回の豪華メンバーが揃った。タイトルホルダーでないのは北津留翼だけなのだ。
もちろん人気薄だったが、最終バック7番手からタイトルホルダー6人まとめて強襲。これが特大の19万車券となった。昨年は誘導員早期追い抜き失格でで序盤を棒に振ってしまったが、今年の北津留は特別競輪でも目が離せない存在なのは間違い無い。今年こそタイトル獲得も期待できるでしょう。
準決勝では地元勢の並びや戦いに疑問
二次予選は静かに終えたものの、準決勝の並びから平原を中心に荒れ模様となった。今年からSS班となった深谷に地元埼玉勢がつくというのだ…
地元を背負った深谷はなりふり構わず先行するので正直嫌な予感しかしなかったが予感は的中。SSになっても深谷は深谷であった。つっぱり、自ら別線を牽制、捌き、逃げ。そして最終2センターあたりでは力尽きてしまったのだ。
正直SSが他地区の先頭で死に掛けとも言えるような走りをするのは見たくない。それは走っている選手も同じでは無いのだろうか?そして深谷が地元を背負った時にどういう走りをするのか、知らないはずない。
どういう経緯かはこちらまではわからないが、埼玉がついていいか、深谷に聞いたのであればそれは埼玉勢にも問題はあるだろう。いくら地元とはいえ、地元のエース平原の名で呼ばれる記念であっても…単騎の深谷を負かして決勝に行くべきだと思った。
もう一方の準決勝のレースでは埼玉の森田の宿口がついたレースでは逃げた森田に番手の宿口は何もすることなく別線に叩かせたのだ、宿口は別線の3番手に切り替え1着という結末に某放送でも苦言を呈されていた。
この時点で埼玉は決勝に5人も上がることになったが、いずれにせよ勝ち上がり方に問題があったように思えた…
決勝 関東のお家芸?死に駆け
もはや関東のお家芸と言っても良いのではないか。死に駆けである。
記憶に新しい昨年のオールスターでは4車で吉田拓矢が暴走失格するほどの死に駆け、その後はタイトルホルダー直々の死に駆けを見せた立川記念の決勝。こちらは地元の高橋を5番手に置いて5車で行われた。
幾度となく、死に駆けについては語って死に駆けという戦法自体は否定しないが、今回に関してはこの作戦を実行するまでの過程がどうも賛同できない。
そして今回も案の定やってきた。(あえて、この表現をさせていただく)
立ち向かうのはSS清水裕友か、初日にタイトルホルダーをまとめて倒した北津留翼だが、北津留は初手後方になり誘導切りに脚を使い一度前へ。その間、清水は6番手で脚を溜める。そして打鐘すぎから死に駆け開始。
清水は500バンクということもあり冷静にじっくりとギリギリまで脚を溜める。宿口が番手発進した2コーナーすぎ、最終バック手前から仕掛ける。
その瞬間、脚が違った。瞬く間に捲った。
清水に合わせて北津留も仕掛けたが届かず3着、清水は番手の稲垣をも置き去りにするほどのスピードで2024初陣を見事、優勝で飾った。
お家芸ついに破れる
関東のお家芸と揶揄したが、ここにきて敗れた。まず前置きとしてSS清水裕友の脚が素晴らしかったのは言うまでもないが、敗因はいくつかあるだろう。
まず並べば並ぶほど良いというわけでもない。いや確かに数の有利は力の有利であるのは間違いないが、それぞれの並び、位置に応じて役割を果たして力が発揮するということが奇しくも今回、示されてしまった。
今回の並びは先頭から太田、宿口、平原、中田、山田と続く。
500バンクの大宮であるのに対し打鐘から太田が全力で駆けるものだから、宿口は2コーナーから発進することに…大宮の2コーナーといえば400バンクでいえばホームから1コーナー付近であろう。そんなところから宿口がゴールまで駆けられるはずもないのはわかっていなかったのか。いや大宮は地元バンクだ…
オールスターでは吉田から眞杉の1コーナー付近の発進。立川記念では眞杉から森田の2コーナー終わりの発進。それも400バンクということを考えると今回はいかにも滑稽な姿を晒してしまった。
関東は脱・平原へ
埼玉を、関東を長きに渡ってまとめてきたのは誰しもが認める平原であろう。
今回も平原を中心に戦っていたのはわかる。が、今や平原もS班ではない。今回その象徴として宿口が番手を主張したという。以前、宿口の後ろは回れない。なんて言われたこともあったそうだが、状況は変わっているということだ。これは関東にとっては良いことだろう。平原のここ半年の実績を見ても、関東はいつまでも平原を中心にやっているようでは地区としての成長も危ぶまれるからだ。
どの世界にも言えるが、年長者が長きに渡り支配していたり、過去の栄光をいつまでも掲げている組織は良いものでないことが多い。
眞杉、吉田拓矢、森田などの若い力を中心に関東を盛り上げていってほしいものである。
平原のこれまでの功績は素晴らしいものである。これは誰もが認めるものであろう。晩年になり、衰え、堕ちていくのは仕方ない。本人が1番辛いのかもしれない。ファンもそれを見るのは辛い。しかしそれは高い位置にいた人の宿命だろう。高い位置にいた人しか堕ちる事はないのだ。自らの功績を汚さないためには、コメントや立ち振る舞いにかかってくるのではないだろうか。SSの番手で勝ち上がる姿より、ラインの為に走る平原。負けたとて全力で走る平原が好きなんだ。
いや、欲をいうなればもう一度、赤パンを履いてGPの舞台に戻ってきてほしい。そこで復活のGP制覇なんて素晴らしいじゃないか。
頑張れ、平原康多。