下記に引越ししました。
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SS 5人斡旋の超激戦記念を制したのはSSの中でもずば抜けている古性優作であった。
強い…強すぎる。
昨年にG1を3つ獲ったこの男にスランプや不調の言葉はないのだろうか。このまま本当に期待に応えるのではなく、私たちの期待を超えていくのだろうか。この男を中心に最強近畿、近畿無双となるのだろうか。
古性、脇本、深谷、新山、佐藤慎太郎のSS5人に加え、今をときめく北井や犬伏など超豪華メンバーが揃った。
さらには犬伏が初日特選を外れるほどのメンバー構成となった。
サプライズは近畿の2人の並びが逆であったことだ。
古性の番手に脇本がついた。今までもこういった並びはあったが脇本や古性のインタビューを見ていると今年は脇本のレーススタイルの転換に本気で取り組んでいるように見える。すぐに結果が出るような簡単なことではないし、今まで勝利を量産してきたスタイルを変えるということはとても勇気のいることである。こういった新しい取り組みする選手は応援したくなるものである。位置にこだわる脇本、牽制やブロックをする脇本。楽しみである。そして何より古性の存在は大きいだろう。
レースは…
北井の独壇場だった。北井の独壇場は7車や9車の三分戦で見ることはあっても9車の細切れではできないと思っていた。
先日いわき平記念でも北日本が(新山のつっぱり先行一辺倒の)戦略転換を匂わすコメントをしていたばかりだった。
2つ以上のラインがサラ脚で飛んでくると厳しいと…
ところが北井は嘉永をつっぱり、新山をつっぱり、なんと古性までつっぱってしまった。
番手の深谷の動きがあったのはもちろんだがそれにしてもSS2人をつっぱり返し、さらには番手の深谷も押し切るのではないかと思わせるほどの脚で2着。
強い…強すぎるぞ。北井。
初日を終えた段階で決勝も北井–深谷を崩すのは難しいのでは?と誰もが思ったのではないだろうか。
近畿の2人も、北日本の2人も、地元優勝者出したい番組屋も思ったであろう。
初日特選のレース結果を受けてなのか、番組編成が露骨であった。
いや、記念というのは斡旋から番組編成まで地元優遇があるのは普通ではあるのだが、二次予選では久田–松本–渡部ライン、犬伏–佐々木豪ラインはまだわかるが、なんと他地区である古性の後ろに橋本強を含む地元地区3人を付けたのだ。準決勝でも北井の後ろに松本、橋本、古性の後ろに渡部をつけた…
これは流石に番組屋に品がないな。とも思ったのだが番組屋はあくまで番組編成をするだけで、並びは当人同士で決めるわけで並びたくなければ並ばなければ良い。それでも古性や北井が前を回ったということは、古性や北井にもメリットがあったということである。
そしてこの番組編成が諸刃の剣であるのは今回の結果からもわかる通り、古性や北井も共に決勝に上がる可能性が上がり、決勝では別線となる可能性も高いことからである。
番組を見ると渡部、松本、佐々木、橋本の誰かを優勝してもらいたい。その馬に犬伏。というあまりにもわかりやすい番組であった。
それもSS5人+北井がそれほど大きな壁なのかもしれないが、地元選手の実力が軽視されているようにも映りかねないし、明らかな優遇番組で万が一負けるようなことがあってもそれはダメージは大きい。
地元を応援する側としては、もちろん勝ってはほしいが、絶対に負けてほしくない。というわけでもなく、勝負に挑み負けた場合、それはレースとしては価値があると思うし、勝利だけを求めているわけでもないと思うのである。そう、先日の玉野記念の取鳥雄吾のように。
不安は的中。犬伏、佐々木が揃って二次予選で敗退した。
地元愛媛から優勝者を出すためには犬伏の存在は欠かせなかったはずだ。
番組屋どころか、愛媛勢も思っていたのではないだろうか。ここに太田龍希が待ったをかけた。もちろん別線としては犬伏を勝ち上がらせたくないわけだがそう簡単に敗退させる相手ではない。そこで太田龍希がとった作戦は”フタ”である。
脚力差がある相手には有効であるが、脚力差があるので下げられて後ろから捲られることや外併走になるので自分が消耗してしまうパターンが多い。
太田は3車ライン、犬伏は地元佐々木豪を後ろにつけてた為、4番手から7番手に後退するのはリスクが大きいと思ったか。なんと最終コーナーに差し掛かってもフタされたまま何も出来ず犬伏どころか、佐々木豪まで敗退に追い込んだ。
準決勝1本目は脇本vs深谷
ここの番組には地元勢はなし。つまり脇本か深谷をここで争わせ、どちらかが敗退すれば。という思惑か。
深谷の強烈なかかりに脇本の追い上げ届かず、敗退。12Rで古性の後ろに渡部がついていることから決勝を考えると脇本敗退は地元勢とっては願ってもない展開である。
いや…狙い通りか?
2本目は新山vs北井という構図になった。
北井の後ろに地元の松本と橋本が付けることから、SS2人とはいえ調子の良くない2人であることからここは一気に2人を敗退に追い込もうという思惑通り、ラインでワンツースリーが決まった。
最終は古性の捲りについていった渡部だが、和田真久留のかかりもよく芦澤にも絡まれ3着までには入れなかった…
番組屋の戦略?もあり、決勝へと駒を進めた愛媛の松本と橋本。
決勝では古性とは別線、これは番組屋としては想定外なのか、想定内なのか…
いずれにせよ古性–和田圭ライン、深谷–和田健太郎ライン、北井率いる神奈川3車ラインは地元勢として明らかは厳しい。
レースは北井率いる3車ラインが優勢と見られたが、古性が技アリといったような捌きで北井の番手を和田真久留から奪う。松本は古性が番手を奪ったと見るやポジションを上げ、捲る。悪くないスピードであったが、北井のスピードをもらった古性まで捲るのは至難である、そして北井も別線のSSが番手に入れば押し切るのは難しい。深谷、和田健太郎もなす術なくといったところか。
今節も決して調子が良かったとはいえないだろう。昨年のGPからここまで古性にしてはらしくない走りは続いていた、その状態であっても知恵を絞り、やれる術で、勝利を貪欲に求めていく。そこに卓越した技術やセンスが重なっているだろう。
まさにSSだ。
一方で、皮肉にも地元番組でありながら犬伏、佐々木、渡部は優勝どころか決勝にも上がることはできなかった。
この結果に観衆はどういう印象を持ったのだろうか?
ラインを組むと個がもつ実力以上の力が出るのも確かだが、レースをコントロールする自力がなければ、ラインごと負けることもあるし、最終局面ではポジショニング、脚力(差し脚)がなければラインの力を持ってまでしても勝つことはできない。
競輪の複雑な要素が垣間見えた開催であった。
個人的に中国地区には期待している将来有望な若手がたくさんいるのである。
若手をどう定義づけるかにもよるが、一般的にも20代を若手とするのであれば中国地区には多い。
※清水裕友を筆頭に、太田海也、取鳥雄吾、晝田宗一郎だ。
今回の玉野記念では地元の取鳥雄吾に優勝の期待がかかったが、惜しくも優勝はできなかったが、優勝に匹敵する魂の走りを見ることができた。
中国地区4人が揃った初日特選では、先日の近畿のように中国地区は別線を選択した。
先日の奈良記念、近畿の地区としての強さ、影響力は他地区にもあったのか?
清水はインタビューで中国地区でもそういう取り組みをしていきたいとのコメントもあった。
確かに、4車以上並べば、別線に対しプレッシャーもかけられ、長いラインは脅威である。しかし全員が勝負に絡める。という点においては初日特選では良いのかもしれない。
取鳥は前受けするも一度下げ、打鐘から先行勝負にでる。
SS眞杉相手に先行勝負に挑む。眞杉も突っ張る。まさに先行としてのプライドのぶつかり合いだった。取鳥は外を回され苦しい展開、最終バックまで食らいつくも力尽きた。9着であった。
これには驚いた。特選メンバーで先行しそうなのは取鳥と眞杉くらいしかいない。そこに6番車である取鳥がSS眞杉を前に出させてから先行勝負に出るという。昨年G1を二つも制しているSS相手に真っ向勝負を挑んだのである。
取鳥は叩けず、着に絡むような勝負には絡むことができず終わってしまったが、初日特選ならではの勝負に心動かされた人もいるのではないだろうか。取鳥のこの勝ち負けではなく、力勝負を挑む気持ちは必ずや取鳥という男を大きく、そして強くさせるだろう。
この勝敗を度外視した力と力の勝負は初日特選という特性からうまれるものだが、博打という観点からすると批判も多くなるのは自然である。
初日特選とはいえ賭けている人がいる以上は勝負に徹しろ。それがプロだろ。という人も少なくない。
競輪にはこういう勝敗の他にも勝負があることを忘れてはならない。だからこそおもしろい。こういった勝負があるからこそ今後のレースにも影響してくるのだ。
さらにいえば取鳥という熱い男を知っているとこういう勝負をするんじゃないか?という予想もできなくはないのだ。
初日特選のメンバーは決勝に上がる可能性も高いので大事な決勝でのレースを意識したレースや、初日に行われることから互いの状態を見極めという確認として行われるレースでもある。
二次予選では取鳥の前を回った晝田は取鳥と共に準決勝に上がる。という強い思いの先行は素晴らしく、取鳥は1着、晝田自身も3着に残った。
準決勝では清水の前を回るが、眞杉のテクニカルな先行にやられてしまった。
関東勢としては清水、晝田の2人を決勝に上げてしまうと勝ち目はかなり薄くなる。清水が番手に回っていることから眞杉は晝田潰しに成功すれば清水まで敗退に追い込めるのでは?と思ったか、打鐘で晝田–清水ラインに蓋をしてから駆け、晝田の先行のタイミングを潰すというテクニックを見せた。これが非常にうまく決まり、晝田、清水共に敗退となった。
蓋は併走することから脚を消耗するので誰もができることでなく、眞杉だからこそできるテクニックでもある。眞杉は2着だったが、それでも晝田どころか清水まで敗退に追い込んだのだから、決勝まで見据えたこの走りはまさしくSSであり、非常に素晴らしいクレバーな走りであった。
決勝で中国は3車揃うも、他は他地区同士で3車並び、3対3対3の3分戦となった。
中国は取鳥、松浦、岩津の3人、地元記念の決勝ということもあり
取鳥–岩津–松浦?
松浦−鳥取–岩津?
はたまた松浦別線か?なんて憶測が飛んだが、発表された並びは
取鳥–松浦–岩津
これには賛否あった。
同地区であっても同県(岡山)に挟まれる他県(広島)はちょっと違うもではないか?前か3番手で走るべき。など。
確かにラインを構成する際、同地区であっても同県が並び、他県は前か後ろという傾向はよく見られる。が、これによくこだわっているという印象を受けるのも中国地区である。良くも悪くも北日本なんかは揉めている印象はない。
個人的にはこの並びでよかったと思う。並びというのは地区で決めるのではなく、脚質に伴ってそれぞれが(地区として)1番力を発揮できる場所で走るべきだからだ。
取鳥が選択したのは自力先頭。取鳥という漢らしさも際立った。
正直、直近の松浦の脚力を鑑みても自力は厳しい。松浦がメイチで駆けるより番手で援護した方が取鳥が優勝できる可能性は高いとみた。
3番手岩津も文句なしだろう。
某解説者は3番手を走らせたら右に出るものはいないんじゃないか?と言わしめるほどの3番手のスペシャリストである。
つまり、この並びは取鳥が優勝するにも、中国地区から優勝者を出すにも最適な並びであった。
中国地区は中団からのレースとなった。
山口拳矢が眞杉を叩いた直後、打鐘前から取鳥は勝負にでた。
初日特選とは立場を変えて眞杉と真っ向勝負、取鳥は決勝でこの形を想定していたかのような初日特選での勝負。これには眞杉は受けて立つしかないだろう。
番手の平原が追走できないほどの眞杉のスピードでも叩くことができなかった。
地元記念をどんな形でも良いから優勝したい。自分の競争スタイルで優勝するために、初日特選をうまく利用するなど、シリーズを通して自分で優勝を呼び込むような競争をしていた。まさに強い漢、取鳥雄吾だった。
眞杉との勝負には勝つことができたものの、バックまででもう脚は残っていなかった。番手松浦すかさず発進。
中国勢の後ろ4番手に位置していた山口拳矢にとっては絶好の展開。山口もこの展開を読んで4番手に位置していたのだろう。読み通りといったところか。
眞杉との先行争いに勝った取鳥のスピード、そのスピードをもらって間髪入れずに発進した松浦のスピード、後ろにいる山口を警戒しつつ内を締める岩津。
ここまで完璧とも言える布陣を捲れるほどの脚は山口にもなかった…
中国勢ワンツーで玉野記念を締め括った。
取鳥は自分の得意とする先頭で、他のSS自力ライン2つの仕掛けを許さない、魂の走りを見せ、ラインから優勝者を出した。この走りは優勝に匹敵する素晴らしい走りであった。
眞杉をつっぱった取鳥を見捨てたようにも見えたことから、非情と評された松浦の番手まくりは果たして本当に非情だったのか?
あれだけの距離をあれだけのスピードで駆けた取鳥を1番近くで見ていたのは紛れもなく松浦だ。松浦がここで少しでも取鳥への情けをかけていようものなら、岩津ともども中国勢は山口拳矢に喰われていただろう…
さらに地元に挟まれた松浦としては岩津のチャンスも考えるとするのであればあのタイミングは間違っていないだろう。地元に挟まれた責任感からできる最大限の走りだったと言えるだろう。
それぞれの得意を活かし、役割として一致した場合にラインは機能し、途轍もない力を発揮する。競輪の醍醐味の一幕が観れた開催となった。
繰り返しになるが、地元記念優勝と同じくらい価値のある走りを見せた取鳥。次は必ずや結果もついてくるだろう。
昨年の奈良記念をなぜか鮮明に覚えている。
強烈な捲りに加えて、外からさらに捲ってきたSS新田を捌く強さも見せていた。勝利やや地元記念への気持ちが溢れでていたレースだったからかもしれない。そしてあの三谷竜生のもがいた時に見せるあの独特の乗車フォームだからこそ、さらにそう見えるのかもしれない…
近畿勢は7人が決勝進出を決め、自力が3人いるということでそれぞれ別線を選択。竜生の後ろを回るのは兄 将太だ。三谷竜生は去年以上に気持ちの入った熱い走りを見せ
6年ぶり兄弟ワンツー、そして奈良記念連覇も決めた。
優勝インタビューでは兄将太も登場し、2着の選手もインタビューされるという異例のインタビューも始まったのだ。
将太は「自分が優勝したわけではないが、めちゃくちゃ嬉しいです!」との言葉の通り、感極まって涙するほどだった。こんな温かい素晴らしい2着のインタビューがあるのだろうか?
世界中を探しても日本の競輪だけではないだろうか…
選手がチームではなく地域(地元)に所属するということで兄弟の絆、ラインという存在、そして地元で開催のされる記念レースに対する想い。兄弟ワンツーなど様々な条件が重なって生まれた異例なインタビューではあるものの。
これは競輪特有であり、ある種、閉鎖的な部分があるのも否めないが、こういったシーンを見ると競輪というのはギャンブルやスポーツにとどまらずドラマがあるなぁ。としみじみ思うのである。
まさに”ドラマティックスポーツ競輪”である。
決勝に近畿のから7人という状況に近畿勢の選手層の厚さは言うまでもないが、例年、奈良競輪は番組編成がとても上手い印象がある。他の番組屋に比べ、特定の選手を露骨に優遇したりはせず(そう見えるだけかもしれないが)上手く多くの地元勢を勝ち上がらせている印象だ。
そして近畿勢の特徴として同レースに5人以上の場合は分かれるという選択をするということころだ。初日特選でも5人は分かれて戦った。
これもその地区の狙いがあるので一概にどっちが良い、悪いという話ではないが。
別線選択のコメントを見ると5番手にはチャンスが少ないから分かれる。みんなにチャンスがある方が良いといったコメントが見られる、これが近畿の強さの一つの要因でもある。
この状況の時こそ、あの川崎記念の時の郡司のコメントだろう。
「まとまるだけが結束力というわけでもない。」でなないだろうか?
近畿は村上義弘が築いた。とよく言われる。築いたことは言うまでもなく素晴らしいことだが、辞めたりいなくなったりした途端に築いたものが無くなったり、徐々に失ってしまうなんてケースはどの世界にもよくあることだ。
しかし今の近畿勢にはしっかり受け継がれている。いやそれどころか、さらなる進化を遂げていて強靭なものになりつつあるようにも見える。
地区の結束力だけでいうのであれば他地区に比べ、頭ひとつ抜けている感じはある。
近畿
北日本 静岡
中国 四国
関東 南関 中部
九州
※あくまでもイメージで、独断と偏見である為、異論は様々あるだろう。
そんな近畿が分かれて激突した初日特選と決勝
脇本–三谷竜生
古性–南–東口
新山の前受け、中団4番手には古性、最後方8番手に脇本。脇本と新山が先行争いでやりあえばもちろん古性ラインに勝機。新山のつっぱりを警戒し、誰も動こうせず、新山は途中波を作ったりと後方の脇本を牽制。
打鐘までレースは動かなかった。打鐘と共に脇本が仕掛ける。1周以上(奈良は33バンクなのでおよそ400mほどか)脇本は外踏み続け、最終4コーナーで新山を捉え1着。かつてのスピードこそなかったものの航続距離が異常に長く叩き勝ちきった。
しかし不自然さが残った。そう、いつもののような脇本のスピードではないのに古性–南–東口というブロックのスペシャリストでもあろう3人が横を通過する脇本を誰1人止めなかったことだ。
別線とはいえ、やはり同地区の選手に対してブロックはしずらいものなのだろうか?
いやいや、地元地区の記念でのリスクを考慮したまでか…初日特選だからなのだろうか?
いずれにせよ、様々な憶測を呼んだ…
迎えた決勝は初日特選を大幅に上回る7車、そして近畿ラインは3分することに決定。
脇本−東口
古性−南–松岡
三谷竜−三谷将
絶対的な先行がいないことと、初日特選のスルーもあり古性ラインの評価はそこまで高くなく、脇本の復調連勝も相まって1番人気になったのは脇本であった。
果たして、古性(–南)は脇本に対してどういう動くのか注目が集まった。
実際レースが始まると、古性が前受け、脇本が最後方から誰も動かず…
残り2周を切ったあたりで脇本が動いた。
古性は以前より脇本と連携、今後もたくさん連携するだろう。重要な局面もあるだろう。古性の口からは脇本さんが…の言葉も多く耳にする。脇本に対して愛を感じる。年上ということも少なからずあるだろう。
そんな古性が別線脇本との戦い方は先行することが1番わだかまりが生まれる事なく、後ろの南にもチャンスがある戦い方だったのではないだろうか。
事実、脇本を出させなかった。代償としてゴール線までは持たなかった…
縦脚あり、ヨコもできる、自力良し、番手良し、単騎でも良し、のまさにオールラウンダー古性はつっぱり先行でも技術が光った。
通常つっぱりたい場合、誘導退避(残り2周のライン)の手前から誘導との車間をあける。これは誘導員早期追い抜き防止もあるが、誘導退避の瞬間にトップスピードに持っていくための車間でもある。
これにはデメリットがあり、車間をあけるため早くから風を受けることとなり、脚力が消耗するのである。
後ろから上昇がなかった場合、2周以上風を受ける必要がある。後ろが来ないからといって誘導に追いつことすれば誘導はレース開始と判断して退避してしまうためもう風避けの恩恵は受けられないのだ。
古性は後ろが来ていないと見るや(脇本だったのでこないと読んだか)誘導との車間を切らずに風避けとしての残り2周を切っても誘導を使うことに成功したのだ。それも33バンクで。
33バンクで残り2周を切っても誘導が退避せず、古性が先頭という状況に痺れを切らして仕掛けた脇本に対して、南が強烈ブロックを見せた。
初日特選では何もしなかったが、やはり決勝では見せてくれた。脇本との先行争いを受けて立ち、突っ張った古性に対するものもあったのだろう。
単なる牽制ではなく脇本のあのスピードを完全に殺したブロックであった。この先行争いは2人の”巧さ”により大阪ラインに完全に軍配が上がった。
同地区2ラインの先行争いを見届けここぞというタイミングで仕掛けた北日本それに続いた奈良の兄弟ライン。
奈良の2人の仕掛けが一歩遅れたか?と思いきやすかさず竜生が守澤の位置を奪うことに成功。
最後は外を回されるものの、菅田の牽制も受けるが脚力で違いを見せた。
勝ち負け以上にそれぞれの特徴を活かし、役割を果たすという強い気持ちが表れていたレース。ラインから勝者を出す。近畿から勝者を。という目的に猪突猛進しているように映ったなら記念であった。
この最強近畿に待ったをかける地区はどこだろうか。
選手層の厚さバランス的には中四国だろうか、南関も選手自体の組み合わせでは対抗できるような気もする。
脇本(寺崎)−古性–南
太田–清水裕友–松浦
といったところだろうか…
対 近畿が2024の見どころかもしれない。
全日本選抜競輪の余韻もそこそこに、選手もファンも休む間もなく、翌週末には記念が開催されている。これが競輪の良いところでもある、週末には必ず日本のどこかで大きなレースが行われているのだ。今回の舞台は香川県は高松。
先日の全日本選抜競輪ではまさかの二次予選で敗退してしまった23年のGP王者松浦はここで良い走りで取り返したい。
そして休む間もなくと言えばこの人…今年48歳のSS佐藤慎太郎は1/11の和歌山記念を皮切りに6週連続斡旋である。鉄人である…
他のSS陣のケガや体調不良による欠場も重なり、ここまで斡旋が続いている。本人はどこまでやれるのか。どういう状態になるのか。試しているというコメントもあった。ここまできてさらなる向上心、あくなき探究心はさすがである。
決勝で菊池岳仁(長野)の後ろを巡って佐藤慎太郎(福島)と東龍之介(神奈川)が
競るということになった。
経緯としては東が佐藤に対し、番手を主張したと見られる。東は並び発表後のコメントで『僕のわがまま。慎太郎さんには申し訳ない』というコメントから本来であれば菊池−佐藤–東という並びだったのではないか。と予想される。
準決勝で菊池と連携し、捲ってくる北津留を完璧に止め、ワンツーで決めるという大仕事をやってのけたこともあり菊池との連携に良い感触があったのかもしれない。調子も良さそうである。
しかし、目的はそれだけか?
東は34歳。選手として成熟してきていて、地位を築く上でもよい年齢に差し掛かっている。ここで輪界のレジェンドである佐藤慎太郎に競りを仕掛けるという大きな決断をしたことで、東は地元地区内でも地位を上げることに繋がるのではないか?ということだ。
競り勝つことがあればなおのこと、仮に競り負けたとて、この勇気と決断は誰もができることではないし、素晴らしいことである。今後において東のファーストペンギン的な役割は今後の番組編成や並びに大きな影響を与えることになるだろう。
レース前から繰り広げた様々な争いは号砲と共にさらに激しい争いへと変わった。
争いは前受けから。松浦が取ったかと思いきや、町田の上昇が遅れ連携が上手くいかず?後ろ攻めとなった。
町田のつっぱりつっぱり死に駆け先行から松浦番手捲りで香川とのもがきあいという予想が大方の予想であった。
赤板で叩きに行くも菊池は同期で早期卒業の町田に対して敵意剥き出しで果敢につっぱる、後ろの競り2人がここについていけない。町田はそれでも先頭に出ようとするものの松浦がバックを踏み町田を向かい入れる。番手に収まった町田は最終ホームで再度仕掛け叩く。これに浅井、千切れた東まで追走。
浅井の捲りに対して松浦がバックから番手捲り、半周のもがきあいになるも浅井に軍配が上がった。
浅井はインタビューでも答えていたが、中団へのこだわりが功を奏した。
なぜ下げたのか?
結果として松浦のこの判断は間違いであったのか?果たして地元香川の2人はこの下げで優勝が遠のいてしまったのか?
レース後につっぱり先行か、打鐘ガマシが作戦であったというが、果たして真相はいかに。今年1年間1番車を背負う松浦にとってマイナスイメージがつかなければ良いが…
松浦のx投稿にて初手を下げたのは町田の希望であったことを明かした。
23年夏以降から多くみられた(地元地区に多く見られる)ライン4車以上つっぱり死に駆け先行の勝利の方程式も崩壊しつつある。
24年のここまでの記念を振り返ってみると
大宮記念 埼玉5車結束つっぱり死に駆け先行を単騎に捲られ失敗。
和歌山記念 近畿4車結束も後方から仕掛け優勝、確定版独占。
川崎記念 南関5車結束も後方から仕掛け、優勝。
いわき平記念 九州は4人決勝入りも結束せず。
静岡記念 3車だったがつっぱり死に駆け先行を敢行。単騎に捲られ失敗
選手達はトップアスリートであり、何度も同じミス、負け方をしないように研究に研究を重ねているし、逆に何度も同じ勝ち方が通じないこともわかっているのではないだろうか?
今回松浦(町田)が初手で引いたこと(後ろ攻めに切り替えたこと)が直接的な敗因ではないような気もする。
Sを取りに行ったようにも見えたことからS取り争いから先行争い中四国勢には迷いがあるように見えた。結果的にラインも分断、終始バラバラな組み立てとなってしまった。
菊池のつっぱりに反応できず、2人で競ったまま後方へと沈んでしまった。それでも東は最終ホームで追い上げ、松浦の番手まで追い上げる意地を見せたが追走まではできなかった。
レース前、2人に競りについて観衆の反応は佐藤慎太郎に対して余計なことはするな。といった声が多くあったように感じた。
東に対して、3番手に納得出来ないのであれば中四国に競りに行くべきでは?という記者がいた。その記事が火種となり、観衆がネット上で佐藤こそ中四国に競りにいけ。という声が上がった…
選手に対し、これはあまりにも失礼であるし、今後のことを何も考慮していない希薄な思考である。
北日本、関東、南関の連携(東日本ライン)は普通にあるわけだから、レジェンドである佐藤が東に番手を簡単に譲るということがどういうことなのか。当たり前だが佐藤は『折り合いがつかなかった。引くわけにはいかない』とコメントした。
中には関東に(地理的に)近いのは南関だから佐藤は三番手や別線、または単騎を選択するべきなんて声までも…いや、確かに地域や地区でラインを組むのだが、距離的な近さ決めていたら何もかもがおかしくなってしまう。
菊池は関東地区で、佐藤は北日本。東は南関なので互いに連携実績はありながらも正確には別地区である。そうなると競争得点や実績で佐藤が番手というのは自然であるが、
元選手が”シリーズ通して勝ち上がり方”にこだわる選手が少なくない。といっていた。東としては準決勝での菊池との連携はそれほどしっくりきたのだろう。
鉄壁と見られていた中四国勢の壁を壊すには菊池と東の連携は対抗としては絶好と見られていたわけだ。
ラインが存在し、そのラインの位置で勝率が変わってくる。そこにプライドや地位が絡みレースの勝敗とは別に”競り”という勝負まで存在するのだ。そしてその動きによっては今後に影響する。
これが、競輪ならではの楽しみの一つである。この競りによって有利になるラインもあれば、展開がゴチャつき、落車の可能性だって上がる。
もちろん予想はしにくくなる。それが競輪である。
これが面白い。
早くも2024年の一発目のG1 全日本選抜競輪が行われた。
優勝賞金は4000万に増額され、売上も目標の95億を大幅に上回る103億を記録し、選手のSNSからも現地の観客の多さに驚いた。などの投稿もあり、競輪人気も増えてきていて非常に喜ばしい。開催も大成功と思われた…
終わりよければ全てよし。という言葉があるが、この開催は逆だった。終わりが良くなかったが為に全てが台無しになってしまった。という印象である…
初日から予選、準決勝と白熱したとても良い戦いだっただけに、非常に残念であった。
準決勝で脇本ともがきあった末に脇本の番手から差し返して勝利し、SS3人をまとめて敗退に追い込んだ北井。唯一の一次予選からの勝ち上がりで、完全優勝にも王手をかけていた。
アスリートとしては遅咲きなのかもしれない。元Jリーガーの119期、34歳オールドルーキーの苦労人である北井のタイトル獲得に期待が集まった。
しかし、北井が強すぎることに加え先行スタイルに、嫌な予感もした…
そう、番手の郡司が絶好になるからだ…
予感は的中…
北井が先に仕掛け、先行開始。形的に単騎になった新山が叩く。今や輪界を代表する先行選手2人のもがきあい。当然有利になるのは3番手にいる郡司…
こうなると対抗となるのは後ろにいる松谷かその後ろの清水だ。とはいえ清水は5番手。こうなると北井と一緒に勝ち上がった松谷の存在がすごくでかいのである。松谷がいるかいないか、清水が4番手か5番手では全く状況が違う。
清水の追い上げは凄まじかったが1/2車輪届かず…
応援している選手はいるものの、特別競輪ともなると決勝メンバー9人は激戦をくぐり抜けてきた精鋭たちなのだから誰が優勝してもおかしくはないし、勝った人が強くてタイトルホルダーとして相応しいのだ。という思いはあった。
が、今回に関して言えば、そうは全く思えなかった。
なぜ郡司の優勝はこのG1を台無しにしてしまったのか。賞賛に値しないのか…
問題となったのは準決勝である。
松井宏佑の番手郡司、3番手和田健太郎という強力メンバーで挑んだ南関勢。松井が打鐘で先頭に出る。郡司は後方からくる別線を警戒のためか、後方を確認。その時、外帯線を外していたのだ。そのスキを見逃さなかったのは古性だ。内側に入られあっさりと捌かれ番手を奪われたのだ。レースはもう打鐘すぎである…松井は番手に古性がいること、奪われていることを知る由もなく駆ける(レース後、気づかなかったとコメントしている)ラインの勝利の為に。自分がいっぱいになったとしても後ろには郡司と和田がいると思っている…
しかし、後ろには古性、南、村上の別線の3人。なんともいたたまれない状況である。
さらにこの状況にもかかわらず、なんと郡司は位置を下げて捲りに構えたのだ。この時点で松井の勝ち上がりはほぼ消失している。それどころか郡司の後ろにいる和田の勝機も薄くなった。少なくとも郡司よりは薄いわけである。
そもそもG1の準決勝でするような油断でもミスでもないが、番手を奪われたにもかかわらず、位置を下げ、松井と和田の勝機を奪う判断をしたことに驚いた…
100歩譲って番手を奪われたのは仕方がない。古性がさすがだった。としても外併走して番手を奪い返しにいくような姿は見せるべきだったと思う。(郡司が古性、南を相手に外競りで勝てるとも全く思わないが)自分はもう勝ち上がれなくとも前の松井に対して近畿ラインの脚を少しでも削りに行くことや、せめて村上に絡み、和田の位置を一つでも上げるような、あがきもできただろうと思う。
郡司は3着に入り、勝ち上がりを決めたのだ。無論、松井と和田は敗退した…
そんな選手が決勝では絶好の番手に位置し、優勝し。来年はS級S班に在籍し、称号である赤いパンツを履くというのだ…
とてもじゃないが今節はS級S班に相応しい走りではなかった。
ここで改めてS級S班について熱く語るのであれば、S級S班とは前年のG1勝者、つまり最多でも6人。プラス獲得賞金の上位者の9人しかなれず、見ても分かるとおり選ばれし9人なのである。
単純な速さ、強さ、では務まらない。それがS班なのである。むしろ速さ強さは最低条件なのかもしれない…
ご存じ競輪というのは、ラインがあり、個が強いだけでは成立しない。勝敗に関して言えば展開というものが左右する。勝ち上がり方式の中で勝ちや優勝を期待(約束)されることは非常に厳しい上に、S班は勝ち方でも観衆を納得させなければならない。
逆はもっと厳しい。勝ちを期待(約束)された中で負けた場合、負け方はさらに重要かもしれない。
今回の決勝に関して言えば新山、古性、清水がそうだ。
先行逃げ切りで1着で勝ち上がってきた北井の先行を叩いた新山。後ろが即席の番手、浅井であったが為に新山につけれず裸になってしまったことが悔やまれる。
位置の優位差を1/2車輪差まで埋めた清水。スピードはやはりさすがである。
浅井が千切れて、下がってきた煽りを受けつつも最後は勝負にからむ上がりタイム最速の古性もさすがである。
川崎記念でも同じようなことを書いたが、現時点で郡司に人々を魅了するような走りができるとは思えない。
G1という注目されている舞台で番手を奪われた代償はあまりにもでかい。当たり前だが今後も狙われるだろう。かといって郡司の自力で番手が勝ったことがあるのも実は少ない…
郡司自身も今開催の走りを自身でどう振り返るのか、今後の走りには注目だ。
ネーションズカップの裏(いや、ネーションズカップが裏になるのか?)で行われた静岡記念。
今年からS級S班となった深谷の地元記念となる。
先日行われた同地区の川崎記念では、SSどころかGPチャンピオンまでも差し置いてSS不在の12Rを走ったり、5車結束してS班の深谷まで死に駆けしてまで勝ち取った郡司がこの静岡記念では深谷に返すべき時がきたのか?前のレースのお返し。なんてことも競輪の良いところでもある。
いやしかし川崎ほど露骨にやるとさすがに茶番のような気もしてくる。さすがに静岡は川崎のようなレースにはしないだろうという心配をよそにあの男がやってくれた。
川崎と違い松井宏佑–深谷–郡司の並びとなった。初日特選は、川崎より強力な並びとなった。
対するはSSの即席ラインの清水裕友–佐藤慎太郎ラインだったが、南関3車ライン前受けからつっぱり死に駆け先行で番手まくりの深谷に敵うものはいなかった。郡司もしっかり2着に入った。
今年に入り、大宮記念は獲ってはいるものの、大宮記念の埼玉勢5車結束、川崎記念の5車結束を目の当たりにしてきた清水裕友はこの開催をどう見ていたのか。
二次予選は初日特選組の浅井が落車となり敗退となった。ということ以外は大きな波乱なく順当に勝ち上がったと言えるだろう。
今年からナショナルチームを離れ、競輪一本で活動を宣言している寺崎浩平が見せた。前走の和歌山記念記念から頭角を表していたが、ここではSS佐藤慎太郎率いる福島3車を1人で敗退に追い込んだ。地元静岡勢と東北勢のやりあいを冷静に後ろから捲った。
なんとSSの清水裕友は準決勝で単騎にさせられたしまったのだ…(いや、番組屋は伊藤颯馬とラインを組むと思ったか…)南関地区また…と思った。
赤板すぎに切りにでた清水。打鐘では南関勢の抑え返しにあったその時、車体故障か?と思うほどの後退、ズルズルと9番手に下がった。しかし単騎であったというのもあり、冷静に下げただけであった。1センターから捲り。3コーナーでは先頭に2車身をつける圧巻のレースであった。
準決勝10R11Rで南関勢1人も勝ち上がれず…10Rも11Rも南関勢は3車ラインだった。それも10Rは静岡期待の渡邉雄太、11Rは初日特選組の松井宏佑の敗退だ。
南関贔屓であるならば昨年の共同通信社杯の時のように渡邉と深谷で決勝を戦って欲しかったと思っているファンも多かったのではないだろうか。
12Rではしっかり深谷と郡司、3番手の佐藤壮まで勝ち上がりを決めたが、南関贔屓にみても準決勝の番組が少しアンバランスだったように思えた。いや、番組屋が寺崎と清水の力を侮った可能性も否めない。
南関勢からすれば、思わぬ準決勝だったのだろう。本命の深谷とウマになりきれるのか不安な郡司は決勝に勝ち上がった。
ウマという表現はあまり好ましくはないが、あえて使わせてもらう。しかもそのウマに郡司はなれるのかすら不安がある。
なぜなら昨年の静岡記念、渡邉雄太の死に駆けから番手の深谷発進も3番手の郡司が差したからである。
いやもちろん。全員が1着を狙うのが当たり前で、わざと負けるようなことがあってはならないから良いのだが…
今回、駆けることに一瞬でも躊躇したら寺崎も、清水も飛んでくるだろう。
となると自分(郡司)はおろか深谷の優勝まで厳しくなる。深谷はSSになっても郡司のために本当の死に駆けをたくさんしてきている。ここで返さなければいつ返すのか。
清水は大宮記念で埼玉5車を1人で潰しているし、川崎記念でも郡司は優勝したものの2、3着は中国地区2人であり、間違いなく南関を苦しめたのは清水である。
レースは南関勢前受け、赤板では寺崎、小林泰正が叩きにくるもつっぱり。
その隙に清水はうちをすくって4番手確保。郡司は打鐘から死に駆け開始。しかし3車の死に駆けはラインが短い分不利である。しかも4番手には清水…
バックすぎに清水が仕掛ける、合わせて深谷も出る。清水はコーナーで外を回される分不利、半車輪ほど深谷が前に出るも…最後の直線清水に差されてしまった。
郡司は駆けてくれた。深谷のために。これは無念…としか。
清水がシリーズを通して別格の強さであったのは間違いない。その上で南関の敗因を考えるのであれば、深谷の車間あけは不必要であったような気がしてならない。元々郡司を残す必要がないのにあれだけの車間を開けるのは必要か?車間を開けて後方から捲ってくる選手に合わせる必要もあるのだろうけど、車間を開ければ風邪を受けるため脚も使う。それに郡司は言葉通り、死に駆けなのだ。捲ってくる選手は郡司のスピード以上を出さなければならないわけで郡司がタレるまでは郡司の番手で温存しておくべきだったのではと。
しかしこれもまた深谷という素晴らしい人間模様を描いているのかもしれない。競輪は面白い。
皮肉にも郡司はもう一度深谷のために駆ける理由ができた。それでもお釣りが来るくらいだと思う。