K5(けーご)の競輪、自転車談義

人生はそろそろ打鐘周回へ…

2024 UCIネーションズカップ 第1戦 最終日

大会2日目の

女子スプリントと男子ケイリンの様子はこちらから↓

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女子スプリントと男子ケイリンの結果を受け、良い流れで迎える大会最終日は女子ケイリンと男子スプリント。

しかし、ここまでここまで金メダルはゼロという結果は、競輪の国としては少し寂しいものである。

最終日も日本のエースは佐藤水菜と太田海也だ。

佐藤はかつてケイリン世界選手権で2年連続で2位になるなどスプリントよりケイリンのが良い結果が出ているし、太田もスプリントではあの最強ラブレイセンから1本取るなどスプリントを得意にしている。

日本に金メダル獲得を。と、期待は高まった。

女子ケイリン

1回戦は1着のみ勝ち上がり、残りは敗者復活戦も1着が準決勝へ。

準決勝は上位3名が決勝へ。という男子同様の勝ち上がり方式である。

まさかの最下位

佐藤は仕掛けどころがなく、1回戦でなんと6着となってしまった…

他の日本選手も1着を1着をとる事なく、全員が敗者復活戦へと回った。この段階では、かなり雲行きが怪しげであった…

逆転勝利への秘策?

この佐藤の6着をポジティブに捉えるとするのであれば、1着以外は全員が敗者復活なので、脚を使って2着より、脚を使わずして6着のが良いと捉える。仕掛けどころがなく6着だった佐藤は脚を温存できたかどうかはわからないが、敗者復活戦では、序盤から位置を上げ、危なげなく1着で準決勝進出を決めた。

他の日本選手は敗者復活で勝つことができず、ここで敗退となってしまった。

準決勝は3着までが決勝進出することができる。

佐藤は残り1周まで後方5番手であったが、残り半周で加速して前を交わし3着。

ここでも脚を目一杯使って1着より使わずして3着に入り、決勝で脚を使った方が良いわけである…

いや負けたら終わりなので、選手は3着狙いなわけないはずだが…

ただ準決勝と決勝の佐藤の走りを見返してみると、脚を戦略的に溜めたのでは?とも思えるクレバーな走りであった。

決勝

かつて2度(2021、2022の)ケイリンで世界2位を獲得した佐藤を2度とも負かしたのはフリードリッヒであった。

そのフリードリッヒも決勝にいた。ここで金メダルを獲得と共にフリードリッヒに勝つことができれば今年のスタートとしては最高のスタートとなり、世界一がかなり近づくことになるだろう。

決勝メンバーは内からケープウェル、佐藤、ジェネスト、フィヌケイン、フリードリッヒ、マーシャンであった。フリードリッヒとマッチレースになるかと予想した。

が、予想は外れた…

佐藤の圧勝だった。2番手からレースが始まるもフリードリッヒ、フィヌケインがが位置を上げるも全く動じない佐藤は4番手に下げる、残り2周ではあのフリードリッヒが先頭にたった。スピードはどんどん上がっていく…厳しいか?と思った瞬間、佐藤のスピードが上がった。佐藤は冷静だった。

残り1周で前の3人をのみ込んだ。そのまま押し切り優勝。

佐藤水菜と太田海也が金メダル獲得! パリ五輪へ期待ふくらむ / UCIトラックネーションズカップ3日目 | 競輪ニュース -  netkeirin(ネットケイリン)

23年のグランプリ女王は世界を相手にしても女王だった。

佐藤水菜の世界制覇はすぐそこまで近づいている。

 

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男子スプリント

スプリントでもライバルのハリーラブレイセンが不在の今大会、ここで是が非でも金メダルを取りたいところ…観衆の多くも同じ思いであっただろう。そんな太田に立ちはだかるのは、リチャードソンと男子ケイリンで金メダルを獲得したアワンだろう。

リチャードソンはあのラブレイセンからチャンピオンズリーグのスプリント種目で勝利し、22年には総合優勝の実績もある。

アワンは多くの日本人と対戦実績がある、脇本、新田、深谷、渡邉一成など多くの日本人が苦しめられてきた。前日のケイリンでもそうだ。それほど長きにわたって自転車短距離界のトップに居続けるいわばレジェンドである。しかし、もう負けられない。

予選

予選は200mタイムトライアルで行われた。

太田はなんとここで9.595というタイムを出し、リチャードソンに次ぐ2位のタイムでシード権を獲得し、2回戦からとなった。

2回戦 準々決勝

太田の対戦相手は1回戦で中野を破ったドイツのスピーゲルであったが、ここはなんなく快勝。

そして準々決勝、太田の相手は日本の小原であった。日本人4名出場して準々決勝で潰しあってしまうのは非常にもったいなかった、しかしここは仕方ない…

2本とも太田が先行逃げ切りで勝利。

予選のタイムトライアルでもわかるように非常に調子が良いように感じた。

準決勝

勝ち残ったセミファイナリストは

太田海也

グレーツァー

リチャードソン

アワン の4名である。まさしく相手にとって不足なし。言ったところである。

太田の相手は2018年のスプリント世界チャンピオンのグレーツァーだった。

それでも太田は臆することなく果敢に攻めていく。

1本目

グレーツァー前、太田が後ろという並び。互いに牽制し合い、一定の距離を保ったまま残り1周でグレーツァーが仕掛け、太田も仕掛ける。徐々に距離が詰まり、最後は太田が半車輪差を交わして勝利。

2本目

圧巻の勝利だった。

並びが逆になったが元世界王者相手に前に出さないどころか寄せ付けず、圧勝と言っていいであろうストレート勝ちだった

元世界王者からストレート勝利をあげた勢いは凄まじい。決勝の相手であるリチャードソンからしてみても同国の元世界王者の凄さは誰よりもわかっているはずだ。そのグレーツァーがストレート負けを喫するのだから、脅威であっただろう。

決勝

予選タイムは1位と2位の2人、ここまで互いにストレートで勝ち上がってきたもの同士の頂上決戦となった。

1本目

太田が前という並び。相手の動きだしに太田が合わせる形になり完全に主導権を握られ、大差をつけられ1本目を落とす。

2本目

太田は後ろからスタート。早めに仕掛け残り1周の残して太田は先頭に出る。リチャードソンも番手に入り仕掛けるが太田の逃げ切りだ。

太田は1本目のミスをすぐさま修正してきた。後がないこの状況でこの仕掛けができたのは強さの証だろう。見ていて気持ちの良い勝ち方であった。

3本目

太田が後ろとなり、最後のレースとなった。

リチャードソンは後ろから攻めたいのか、時折スタンディングになるような格好で太田を誘い出す。しかし太田は冷静にこと誘いには乗らず、スタンディングで応戦。

スーローペースでレースは残り2周まで進む。リチャードソンはペースで加速していき少しづつ太田との距離を広げにかかった。そして最終周回に入った瞬間に加速。

一瞬、太田の踏み出しが遅れたように見えた。残り半周を切っても差はそこまで縮まっていなかったが、3コーナーからの太田の加速は異次元であった。スピードが違った。4コーナーで迫り、最終ストレートで抜き去り、見事優勝。

 

 

日本が誇る2人

ラブレイセン不在とはいえ、この太田の強さをみるとラブレイセンがいても勝てたのではないかと思う。それほど強いレースであった。

確実にパリオリンピックと世界選手権での頂点が見えている。

個人的にはオリンピックより世界選手権を獲ってほしい。世界王者(女王)に贈られる証、世界チャンピオンジャージ”アルカンシェル”を身にまとう2人を見たい。

スプリントとケイリンで世界を制圧する夢をファンも見ている。叶えてくれる可能性が1番高いのは今、間違いなく太田海也と佐藤水菜の2人だろう。

 

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2024 UCIネーションズカップ 第1戦 オーストラリア・アデレード

自転車競技トラック日本代表の2024の初戦はここから始まる。

今年はパリオリンピックが控えているため、出場枠を争うという面においても重要な大会になっている。

UCIネーションズカップは年に3戦実施され世界選手権、オリンピックに次ぐ高いUCIポイントが獲得できるということもあり、世界中から強敵が参加する大会である。

※2020年まではワールドカップという名称で大会が行われていたが、2021年からワールドカップの後継としてできた大会である。

注目は個人スプリントとケイリン

やはり競輪発祥の国、日本。として注目すべきは男女ともに個人スプリントとケイリンである。

2023ケイリン世界選手権を3位となった中野慎詞。

2023ヤンググランプリは制した太田海也。

2023ガールズグランプリを制した佐藤水菜と23年を沸かした日本が誇る3人である。

女子スプリント

全日程3日間で行われる今大会。女子スプリントは大会二日目。

スプリント予選は200m TTで行われた。

予選の結果は世界王者のエマ・フィヌケインを筆頭に早々たるメンバーが上位に名前を連ねた。そんな中、佐藤のタイムは10.614で8位という好位で予選を通過。

1/16ではアジア大会で戦った中国のユアンリン選手を下し、順調にベスト8へ。

女王フィヌケイン激突

1/8ではなんと世界女王エマ・フィヌケインと激突…

昨年の8月に行われた世界選手権では敗れている相手でもある。昨年から月日は経ち、佐藤は強くなって世界戦に戻ってきていた。

なんと世界女王フィヌケインを相手にストレート勝ちを収めた。

全日本チャンピオンジャージをきた佐藤がアルカンシェルのフィヌケインを負かしたのだ。このシーンは中継がなかったものの、日本の(佐藤水菜の)世界一がかなり近づいた瞬間である。

ここでフィヌケインに勝利したら突き抜けると思っていた。金メダルは濃厚と思った…

決勝の相手も元世界王者

準決勝はアンドリュースと対戦も1本目でアクシデントがあり、アンドリュースが落車棄権となり、不戦勝。

決勝へと駒を進めた佐藤は決勝で2020年の世界王者エマ・ヒンツェと対戦することに。次から次に世界王者が出てくるこの激闘。しかしこれは佐藤が世界のトップで戦っている証明でもあり、世界の上位の1人であることの証明でもある。

1本目

佐藤は内側。スタート前の表情からもとても余裕を感じる。

半周でヒンツェに先行させ、追走。3コーナーから併走し最後の直線で差す。という冷静さと力を掛け合わせたような勝ち方で先取。金メダルへ王手。さらにこの勝ち方は次のスタートが外側から始まることを考えてもヒンツェにプレッシャーをかける勝ちとなった。

2本目

もちろんヒンツェとしては1本目に交わされているので先行したくない。牽制が入りながらも佐藤は冷静に前にでることはせず、残り1周というところでヒンツェが意を決して先行。そのまま押し切られてしまった。

さすがは元世界王者、1本目から仕掛け位置をしっかり修正し、2本目を取り返した。

こうなると形成逆転、一転して佐藤が厳しい状況に。

3本目

ヒンツェは後方から仕掛けると思いきや、残り2周でなんと佐藤の前に出てそのまま先行して押し切られてしまった…

意表をつかれたわけではないだろうが、見ている側としては予想外であった。

 

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攻めの気持ち

このヒンツェの仕掛けは、まさに今年、佐藤がテーマにしている”攻めの気持ち”そのものであった。

世界女王をストレートで下して決勝まできている佐藤に決して攻めの気持ちがなかったか?というと、そうは思わない。ヒンツェの攻めの気持ちが佐藤を上回っていたのかもしれない…

2023年の世界選手権で佐藤が感じた世界との差を埋めるべくテーマにした”攻めの気持ち”はこのヒンツェを見るととてもよくわかった。

そして、世界のトップで戦っている選手たちは臆することなく攻めるのだ。それも強さ要素なのだろう。それがよくわかるレースであった。

約半年前にそれに気付き、取り組みさらに2024の初戦で2位という結果を残している佐藤にはやはり期待しかないだろう。さらに夏に行われるオリンピックと秋の世界選手権では今大会のヒンツェを上回る攻めの気持ちで戦ってくれるだろう。

 

男子ケイリン

太田と中野の最大のライバルである短距離界の絶対的王者ハリーラブレイセンが不在の中行われた。

それでも2023ケイリン世界選手権1位2位のキンテロとリチャードソンが参戦した。

勝ち上がり まさかの世界王者敗退

今大会は1回戦は1着のみ勝ち上がりその他は敗者復活戦へ回される。

その後、準決勝、決勝という流れである。

注目の太田の中野は共に1回戦で1着をとり、準決勝へと駒を進めた。

なんと敗者復活戦で2023世界王者であるキンテロが勝ちあがれず敗退となった。キンテロと同組になった日本の山崎が先着し準決勝へと勝ち上がった。

準決勝

中野と太田は同組で激突するも1着、3着と危なげなく決勝へと進んだ。

ケイリン発祥の国として世界制覇を期待している身としては勝手にケイリンでは決勝進出はおろか表彰台は最低ラインだとしている。ましてや今大会に限って言えばラブレイセンとキンテロがいないわけなのでなおさらだ。

 

一方でもう一つの組では2023世界選手権2位のリチャードソンとアジアで何度も対戦があり、日本勢はよく苦しめられたマレーシアのアワンと日本の山崎が対戦した。

リチャードソンは圧倒的差をつけ、1着。2、3着争いは山崎を含むアジア勢3人の争いとなったがアワンに交わされ山崎は惜しくも4着で敗退が決まった。

決勝

決勝メンバーを見るとラブレイセンにキンテロがいないものの見劣りしないメンバーが揃った。

アワン、中野、太田、リチャードソン、カーリン、チェンシー

※一つの国から2人決勝に乗るのは誇らしい。

なんならライン組んで圧倒的勝利をあげてほしいくらいだ。

左から内枠なので枠も悪くない。内から4人で決まるだろう。そんな気がしていたし、ワンツーの可能性も十分あると思っていた。

 

ペーサー退避直後からレースは動いた。

日本勢の番手にいた4番手のリチャードソンが位置を上げてくるだろうと警戒。内が開いたスキに5番手のカーリンにウチをすくわれた。リチャードソンも外から位置を上げる。日本勢は4.5番手にされるという展開…それでも2人は冷静だった。

残り1周半(つまり打鐘あたり)でアワンが仕掛ける。その仕掛けに反応したのが日本の2人。うまくリチャードソンとカーリンを内に包んだ。

最終ストレートで先頭を走るアワンに迫ったのは中野。しかし僅かに届かず…

アジア選手権で苦しめられたアワンにここでもやられてしまった…

それでもリチャードソンより先着し、日本勢としては表彰台に2人上がったということはとても素晴らしい結果である。同時にパリオリンピックと世界選手権において視界良好といったところだ。

 

 

山崎賢人も注目

惜しくも決勝には上がれなかったものの、優勝したアワンと準決勝で接戦を繰り広げた山崎賢人にも今後は注目だ。

競輪とケイリン

日本発祥の競技である競輪から世界基準の自転車競技に入ったわけだが、ルールなど似て非なるものであるのはご存じの通り。

400バンク、ヨコ有りで、国や大陸別でラインを組んで走ったら面白いだろうな。日本は敵なしだろうな。なんて妄想は膨らむものの。

競輪は競輪で日本にしかないからこそ価値があるのかも知れない。

そして、競輪はケイリンというインターナショナルルールのもとであっても揺るがない強さを示すのである。

 

これぞ、競輪のチカラだ。

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敗退、別線、戦略、予想外だらけのいわき平記念【G3】いわき金杯争奪戦

今年初レースであるS級S班2人。

新山響平と山口拳矢である。共に前開催を欠場し、なんと今年初レースである。

これでケガの眞杉を除くS班達の2024年が始まった。

 

開設73周年記念いわき金杯争奪戦開催前 新山響平(30=青森)が、能登半島地震
義援金として石川県に200万円の寄付をした

初日特選

毎回のことだが、とてつもないメンバーが揃った。

新山が新田佐藤を含む3人を背負う4車ラインに近畿の最強コンビの2人、九州からは成長目覚ましい嘉永に、暮れの広島記念を制し、上り調子の山田庸平。代名詞になりつつある単騎の山口拳矢だ。

レースは新山が得意のつっぱり先行から地元福島勢が支配するかと思いきや、なんと脇本が最終バックあたりから久々の”らしい”捲りでなんと北日本4人を丸呑み。番手の古性ですら差せないほどのスピードを見せ見事勝利。

大宮記念では体調不良(喘息)で途中欠場もあったが、このまま何事もなくいけば脇本の完全復活も近いと思わせるレース内容であった。近畿地区はもちろん、ファンも待ち望んだ復活である。ますます近畿無双の年になるのか…

勝利後に脇本は今年変化を求めていくとのコメント。前後というよりは位置どりなどを踏まえたレースをしていくようなコメントにもとれた。このレースも中団にこだわっていたという感じでもなかったが、いつものように7、8番手まで下げるというような感じでもなかった。今後の脇本のレースに注目である。

問題発言?

レース後5着の嘉永のコメントがすごく引っかかった。

GP覇者3名、グランドスラマー、同一年G1 3勝のタイトルホルダー総勢6名というメンバー相手に6番車の”油断”というこの堂々たるコメントは正直驚いた…

ノンタイトルの6番車でどういう考えからこのメンバー相手に油断できるのか。掘り下げて聞いてみたい。

その後、嘉永はしっかりと決勝にまで残ったが、決勝前日のコメントでも周囲を騒がせたのだった。

 

冬の暴風は配当大荒れ

先日の和歌山記念でも暴風吹き荒れ、配当が荒れに荒れたのは記憶に新しい。今節のいわき平では初日から最終日まで荒れに荒れた。1000倍越えの配当はシリーズ通して48レース中なんと8レースも出ていた。

10万車券が5本 20万車券が2本 30万車券は1本 最高配当は37万車券であった。

やはり自転車競技に及ぼす風の影響を改めて感じたシリーズであった。

本命が次々と敗退

SSや本命の敗退が目立った開催でもあった。

山口拳矢

準決勝敗退。

S級S班として初陣となった今開催、インフルエンザ明けという情報もあったが、昨年の秋ごろから動きは良くない…現状SSの中で1番心配である。地区としても山口拳矢を援護できるような番手や、自力の選手も少ないのも懸念店である。何か活路を見いだしてほしいものだ。最終日こそ1着あったものの本来の動きから程遠いものであった…

脇本雄太

二次予選落車。

初日特選であれだけの捲りを見せ、完全復活か?と期待され二次予選は圧倒的な人気に支持されるも落車棄権となった。

中団へのこだわりか?内側に切り込みすぎて前走車とハスり落車してしまった。

ハスる。ハウスする。

自転車競技で選手同士の前輪と後輪がぶつかること

復調気味であっただけに非常にもったいない落車となってしまった。脚力は誰もが認めるワールドクラスの脚力なので、脚力だけでなくスキルも重要なのだと気付かされる。競輪に落車は付きものであるが、落車しないということは=ケガをしないこと。である。古性を毎回引き合いに出してしまうが、転ばないことも強さの一つである。

古性優作

なんと絶対王者・古性が準決勝で敗退するというこのシリーズで1番の波乱と言っても良い波乱が起きた。

準決勝はラインの先頭で近畿は2車、対4対3の3分戦という数的不利な中、後方に置かれまいと中団確保し5番手から仕掛け、4車ラインの番手からでた山田庸平をもねじ伏せた。しかし末が甘くなり4着に沈んだ。古性の番手から抜け出し1着の神田は「内を締めて入れば…」と技術不足と反省を口にしていた。

近畿無双とは簡単にいかない

近畿はSSを2人とも決勝には勝ち上がれず散ってしまう結果となった。

和歌山記念での強さ、初日特選の強さを見ても磐石と思ったが、さまざまな要素が絡み、簡単に勝てないのが競輪である。

 

決勝

決勝は初日特選メンバーと比べ4人が入れ替わった。

近畿はSS2人が神田と窓場に代わり、九州は井上昌己と伊藤旭が決勝に乗り、九州はなんと4人が決勝を走ることに。しかしこれが九州、いや熊本に亀裂を生むような結末になってしまった。

 

九州4車結束と思われたが…

前日から九州4人がどう並ぶかは注目されていた、新山のつっぱり先行率いる地元3車に対抗するには、伊藤から嘉永 山田 井上で並べばかなり強力で地元ラインからしても非常に戦いにくいからだ。

ところが発表された並びは九州は別、熊本と分かれることになった。

個人的にこれ自体はとても良い判断と思った。4人並べばおそらく井上が4番手、となると井上の勝機は薄くなる。昨年末、地元記念でありながら4番手を回ったことが今でもとても切なく感じてしまっていたからだ。

嘉永の発言に賛否

実際は九州というより熊本の間にはそういう事情ではなかったようだ。嘉永が伊藤の前回りに難色を示したというのだ。

 

嘉永

「旭とは高校の後輩で練習仲間。普段からレース内容を指摘している。強いが仕掛けるべきところで仕掛けられていないし、改善もされない。同じ自力選手として、前を任せられる選手ではないので、調子も良いし、自分が前。(伊藤のレース内容が良くなったら)その時はまた前後を変えて頑張れればいいなと思います」

伊藤

「泰斗さんに前を志願したけど却下された。先頭で頑張るつもりだったんですが…。自分の競走スタイルと、日ごろの行いが悪い自分のせいなんですけど、(任せてもらえず)やっぱり悔しいです…。先頭以外なら自分は4番手とも思ったんですが(山田庸平、井上昌己と)相談して泰斗さんの番手になりました。悔しいけどチャンスだと思って、後ろで勉強させてもらいます」

 

ということであった。これには賛否あるだろう。

伊藤は荒井崇博とも因縁というか不仲なのは有名であるし、走りに納得がいかないという人も確かにいる。

とはいえ嘉永嘉永だと思う。走りはもちろん、初日特選後のコメントも含め、言動が手本になっているか?というとそうでもないと感じるし、言える立場ではないと思う。

 

しかし、これだけ言ったので決勝は闘志むき出しで北日本に向かってくるだろうと。

旭よ。いいか、後ろでよく見とけ。と言わんばかりの走りを予想した人も多くいたのではないか…

嘉永1着の三連単で9番人気。伊藤1着の三連単は40番人気であった。嘉永は地元で新山の番手新田の次に人気していた。

北日本の予想外の戦略

鼻息荒くイレこんだ嘉永をサラリと交わすかのような北日本の初手はなんと後ろ攻め。

新田はスタートも速いし、1番車だったので北日本は前受けからのツッパリと思っていた人が多くいたのではないだろうか。

実際、嘉永初手で北日本が後ろ攻めになったのは意外だった。とコメントを残している。

この北日本の作戦はぴったりハマった。ホームで新山上昇、打鐘ガマシから主導権を握った。

新山の成長

新山先行 番手新田で思い出すのは、およそ1年前の22年のGPだ。新山が初めて赤パンを履いて臨んだGPで松浦に番手でせられて北日本が崩壊した。あのグランプリである。あからさまに動揺した新山から、この落ち着き払った打鐘ガマシを見ると驚くべき成長速度でありSSの風格すら匂わせる。先行でタイトル獲得が楽しみである。

 

山田庸平は4番手から捲りにでたが、これにうまく合わせて出た新田が見事優勝となった。

 

 

レース後、北日本はつっぱりだと2個のラインがサラ足で飛んでくる。今後を見据えてバリエーションを増やすのも良いこと。というコメントを残した。

もしかすると、今後コマ切れ戦では後ろから攻めることも示唆しているのだろうか。

これは予想する側も難しくなるが、もちろん対戦する側も難しくなるだろう。

 

熊本に亀裂はないのか…

北日本の(3番手佐藤慎太郎は確定版に入れなかったものの)見事な作戦勝ちで地元記念優勝で幕を閉じた。

 

一方、熊本の2人はどうだったのか。

初手で3番手を取ったものの青板での仕掛けが中途半端で新山に叩かれ8番手に置かれる。赤板で仕掛けるも先頭は新山が打鐘から仕掛けていて8番手捲りはさすがに厳しい。車が全く出ない…6番手併走が限界。2コーナーすぎに伊藤に切り替えられる始末…

伊藤はその後、強引に位置取りし5着まで巻き返した。嘉永は8着でレースを終えた…

 

決勝レース前から悔しい。という言葉を発した伊藤旭はどんな気持ちでこのレースを終えたのだろうか?

 

仕掛けるべきところで仕掛けられていない。

同じ自力選手として前を任せられない。

 

と言って臨んだ嘉永はレース後、

「ホームで仕掛けたけど前がかかっていた。行けなかったのは足(脚力)がないだけ。伊藤旭は自分とはレーススタイルが似ているので、普段から厳しめに言っているところはある」とし、「下もどんどん出てきている。年も近いし、先輩後輩ではなく、その時の調子で前後を選んでもいい。(伊藤に)行かせるだけなら簡単なので」

と言ったそうだ。

伊藤への奮起を促す意味での前回りだったことを強調したかったのだろうが、後付け感は否めないし、はっきり言って今回に限っていえば口だけの選手になってしまった。

 

熊本記念では一丸となり良い勝利を挙げていたし、熊本競輪場の再開もあり、嘉永には期待していただけに、今回の初日特選後の発言から決勝レースまでの流れを見ると非常に残念。

しかし彼はまだ若い。失敗もたくさんする中で成長していくだろう。レースで見返してほしい。

 

まだまだ期待はやめない。

 

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2年ぶりの決着 川崎記念【G3】桜花賞

2022の桜花賞 郡司と松浦の同着優勝。

23年はバンク改修もあり、2年の時を経て決着の時が来たか…

 

 

バンク改修後、初の記念開催となった川崎競輪場

川崎競輪場改修中に川崎の、神奈川の、いや…南関のエースだった?郡司浩平がSSを陥落してしまったのであった。記念すべき改修後の記念を黒いパンツで出走した郡司。2年前の決着はつけることはできたのか。

追加もあり素晴らしいメンバーが揃った。地元のエース郡司はもちろん。SSからG P王者松浦、深谷、清水、佐藤慎太郎の4名である。

同着再び??

初日特選は神奈川勢と深谷と別線で戦うことに?郡司はこの件について「まとまるだけが結束力というわけでもない。」とコメントしたが正直、意味がわからずにいる。

深谷にもチャンスをという意味だったのだろうか?

レースは北井がつっぱり深谷の上昇を跳ね除け、そのまま先行体制に入る。清水の捲りに郡司のブロック、大外から深谷の強襲で見事1着。深谷の脚を見せつけられた初日特選であった。

そして、2着はなんと2年前を彷彿とさせるような松浦と郡司の同着であった…

何かの因縁でもあるかのような同着…2年越しの決着は決勝まで持ち越すことに…

SS不在??

二次予選のメインレース12Rに赤パンがいないという珍事というか。確実な忖度があった。良い悪いはさておき、今年郡司はSSでないため、二次予選ではSSと勝負することになるので昨年より確実に番組に恵まれないわけであるが、川崎競輪にはお構いなしであった。6Rから二次予選であるが、6R〜8Rに地元のエースを持ってくるわけにもいかなかったのか、SSと走らせて敗退させるわけにもいかない川崎競輪がとったのは12RのメインにSS不在の番組に割り当てたのだ。4人のSSはそれぞれ8R9R10R11Rであった。それも前年のGPチャンピオンを差し置いて、ここまであからさまな番組を組むのだからすごい。記念というのはそういうものだ。と言われればそういうものだし、番組屋も一体となって戦うのが記念開催である。と言われればそうなのか。となる。

くどい様だが良い悪いはさておき、どう思うかは人それぞれではある…。しかし今後の川崎の特別競輪開催だけは少々心配である。

平原記念と呼ばれたあの大宮でさえ平原をSS出走前の9Rにしていたくらいなのに。

準決勝

準決勝もGPチャンピオンの松浦が11Rで郡司が深谷と一緒に12Rという”はからい”であった…

ここまでしないと決勝までいけないと思われているのか?それとも売上低迷を危惧しているのかわからないが、個人的にはGPチャンピオンの松浦に対しての敬意が足りないような気がした。

佐藤慎太郎こそ二次予選で敗退したものの、SSにとってアウェイの中でも強さは目立ち、決勝進出を決めていた。

松浦は九州四国ラインの3番手につきバックでは6番手ながらも最後はしっかり3着に残る末脚だった。

深谷は地元を背負った時に見せる死に駆けともいえる先行をここでも見せた。SSらしからぬといえばSSらしからぬ走りなのだが、深谷らしいといえば深谷らしい走りではあった。

ただ大宮記念と違ったのは、赤板で一度引いたことと番手の郡司が車間を切ったり、牽制を交えたこともありなんとか3着に入った、辛くも決勝進出を決めた。

5車結束

無事というべきかどうか?松浦と郡司が決勝に勝ち進み、2年ぶりの決着をつける時が来た。

郡司は深谷の番手。さらには南関5車結束という布陣に対し、松浦は清水の番手に恩田が3番手を固めるという即席ラインで迎えうつ。

先頭は深谷、番手に郡司は自然だが、3番手は松谷が主張、堀内が4番手となった。

これまで地区の先頭でやってきただけに堀内はこの並びに納得いっていない様子だった…逆に松谷は3番手を主張したからにはそれなりの動きが期待された。

 

GP王者がいるので1番車は松浦なので、5車結束とはいえど前受けは厳しいと見られた。清水が前受けから深谷の追撃を突っ張るか、もしくは番手の郡司のところを狙い撃ちするだろうと見られたが赤板では深谷のスピードが凄まじかった。

「ハコにいけたらよかった」と清水のコメントからわかるように深谷のスピードが番手の郡司を守ったのだ。

郡司まで前にでたところで清水が3番手を取りに。南関ラインの3番手松谷も意地の粘りを見せたが、最終1センター付近で力尽きた…ここで南関ライン3番手以降は崩壊。

しかし、3番手を主張した松谷のこの功績は大きかった。バンク1周分、約400mに渡って清水の脚を削り続けたのだ。これが堀内だったらどうだったかと考えるのもまたおもしろい。

そしてそんな堀内の動きも見逃してはならない。4番手堀内も松浦と並走し、松浦の脚を削ったというのだ。松浦がレース後にあの並走で脚を使ったとコメントしていた。

 

最後は、郡司の駆け引きも光った。深谷はゴールまで全力で踏んでいくが、郡司の出どころによっては清水松浦まで連れて出て行ってしまう。もちろん深谷があれだけ早くからカマシておきながらタレなかったというのも大きいだろう。

勝負は4コーナー回ったところできた。

清水も松浦も出るが、深谷のスピードをもらい番手からでた郡司を抜けるものはいなかった。

 

 

競輪の面白さ、S級S班の凄さ

2年前の同着から今節の初日特選の同着と、2回を記録した川崎記念は2年の時を経て決着がついた。郡司は同一大会5勝目となる4連覇も達成。

ラインの結束力を持って別線に立ち向かい、勝利をもぎ取りにいく姿。これぞ競輪という素晴らしさを改めて感じながら、同時に中国地区2人のSSの強さの凄まじさ…

5人であっても簡単に崩せないどころか3番手以降は逆に崩されるほどの破壊力だった。

やっぱり気になるあの言葉、郡司浩平という男は?

郡司が前検日に残したコメントの真相がいまだにわからない。

そう、あの「まとまるだけが結束力というわけでもない。」というコメントだ。

南関の決勝レースを見た後、さらに準決勝から深谷と連携を組み、深谷のおかげと言っても過言ではないほどの深谷の走りをみた後…

まとまるだけが結束力ではない…謎は深まる一方である。むしろこのコメントは決勝の南関の結束力を台無しにしていないか?

そしてもう一つ ”SSの深谷”がこれだけ郡司に尽くした走りをしたわけだ。静岡記念は是が非でも深谷を優勝させるべく走るべきだ。間違っても”今年は”静岡記念で…

 

最後に断っておくが、決してアンチ郡司ではない。

が、2023年の静岡記念の走りと小田原記念の走りを見て郡司の思考や立ち回りに疑問を抱いているのは確かだし、川崎競輪を含む、郡司を取り巻く周りの環境も含め、郡司にとってプラスではない気がする…

 

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常勝軍団、2024近畿勢無双なるか。和歌山記念【G3】

24年初戦となった地元地区の和歌山記念となった古性優作だが、グランプリの負け方が負け方だっただけに状態が気になる。

一方で新たな気持ちで挑めるのか、昨年G1 3勝の最強王者はどういったレースを見せるのか注目が集まった。

和歌山のエース東口はコツコツ勝ってきたのが優勝のコツというは見せつけられるか。

初日特選

新山響平と山口拳矢とSS2人の欠場があったが、初日特選は見劣りしないメンバーが揃った。

初日特選で存在感を見せたのは昨年ナショナルチームを脱退し、寺崎浩平だ。

競輪での競争経験は少ないものの、力は十分。

打鐘から先頭に出るとそこから強烈カマシ。3コーナーあたりで坂井が迫るも番手古性、3番手東口で前に出れるわけもなく…東口の一撃であっさり後退。むしろ他の5人は見せ場を作ることもできず近畿はパーフェクトレースと言っていいほどの出来であった。

古性は勝利者インタビューでは直前の11Rの近畿勢に「しょうもないレースして」と苦言を呈した。近畿勢が地元地区記念にかける想いも伝わってきた。

 

古性は1着で終えたが、寺崎の番手から抜け出しただけで状態はわからない。

安心?自力で見せた上々な仕上がり

23グランプリで脇本の強烈なスピードについていき、絶好の展開で後ろからくる3人に交わされるという古性らしくないシーンを目の当たりにし、心配な人も多かったのではないだろうか?

本人も”終わり悪かったので全て悪くなりました。”と冗談混じりのような、少し引きずるようなコメントを残していた。

古性は貫禄と風格があり、脇本の番手といったイメージも相まって、あまり多くは語られていないが、レースメイクする力がとても長けていてラインの先頭のが成績がよかったりもする。後手にならないようにレース展開を読み、変えていくのだ。

2日目

打鐘では後方に置かれるも、メンバー的に問題ないとふんでいたか、冷静に最終バック前に先頭に出てそのまま押し切り勝ち。まさに横綱相撲という様な王者の貫禄を見せたレースであった。

3日目

準決勝では地元のエース東口を背負い自力だった。地元のエースを背負い「しょうもないレース」はできないプレッシャーの中、相手はさらに強くなるものの最強王者はビクともしなかった。後方7番手で先頭は好調島川という状況でも冷静であった。3コーナーから島川と並走なるものの、東口を1着に自分も2着に残る完璧なタイミングの仕掛けであった。

強風荒れ吹く和歌山

珍事というには大げさかもしれないが和歌山バンクは強風が荒れ吹き、思いもよらないレースになることが多々ある。

準決勝11Rでまさにその展開になった。人気になった坂井洋と佐藤慎太郎の3車ラインは町田太我のイン切りに合わせ並走し、町田を後退させる。坂井はそのままバックを取るが先頭で強風を受け続けた坂井のスピードは出ない、そして坂井の番手にいた佐藤慎太郎も追走いっぱいというか強風で脚がなくなっていたのだ。そこを捲ったのが町田太我の3番手から切り替え後方待機していた阿竹。2着に入ったのは佐藤慎太郎の3番手にいた永澤である。上がりタイムは阿竹を除く8名が13秒台で阿竹も12.8秒というタイムであった。3連単の払い戻しはなんと32万7170円となった。

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決勝から見えた近畿の目標。最強君臨

地元近畿は決勝に4人。先頭はもちろん寺崎である。番手には古性、地元エース東口は3番手。初日特選でも見せたが、最強の布陣である。さらには4番手に藤田も並ぶという鉄壁具合である。

一瞬、死に駆けか?と思ったが、近畿の決勝レースを見てハッとした。

これだけ強いメンバーが並んでつっぱり先行から死に駆けは逆にもったいないわけで全員が勝てるようなレースするのは当たり前なのかもしれない。

それでもし負けるのであればそれはそれで近畿勢の課題として改善していくものなのかもしれない。あくまでも地元記念を獲ることが目的ではなく、常に強くあり続ける。というようなメッセージの様なワンツースリーフォーであった。

 

 

寺崎浩平にも近畿の絆。今後に見えた光

寺崎の強さはナショナルに入っていたので説明不要であるが、この決勝で見えたのは長らくナショナルにいた寺崎にもしっかり近畿勢としての遺伝子が入っていたということだ。

打鐘前後方6番手からカマすわけだが、しっかりと東口と藤田をも連れていく仕掛けをしたあたりだ。

こういうことができると寺崎の未来にも関わってくるのは言うまでもないだろう。

近畿にはとても協力な番手陣がいるのも分かり切っている。特別競輪戦線の近畿から目が離せない。

結局のところ古性優作の調子は?

寺崎の強さも際立ち、番手での古性の調子は見ることはほとんどなかったが、心配ないだろう。

優勝者インタビューで、期待に応えるのでなく、期待を超えていく。G1 3勝以上目指すと力強く語っていたからだ。

 

2024 近畿無双

 

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平原記念?大宮記念【G3】倉茂記念杯

2024年最初の記念は大宮からスタート。

500バンクは予想が難しいという人が多いので、年明け早々苦しんだ方もいたのではないでしょう。一方で特大車券も飛び出したので思いがけないお年玉をとった人もいるのではないしょうか。

一部のファンからは平原記念と呼ばれているらしい…今回も平原抜きには語れない記念となった。

初日特選ではサプライズと番狂わせ

前検の並び発表でサプライズがあった。SS深谷と地元平原に成田和也が並ぶことが決まった。平原は準決勝でも深谷の後ろを回り、レース後にはこれからは他地区との連携も増えるとコメントを残していた。これはSSでなくなったからなのか、自力で走ることが少ないことを示しているのか?真相はわからないが、ラインや地区で決めたがる平原が他地区に付くと言うのは何か心境の変化があったのは間違いないだろう。

そしてタイトルホルダー8人、合わせてGPタイトル5回 G1タイトル28回の豪華メンバーが揃った。タイトルホルダーでないのは北津留翼だけなのだ。

もちろん人気薄だったが、最終バック7番手からタイトルホルダー6人まとめて強襲。これが特大の19万車券となった。昨年は誘導員早期追い抜き失格でで序盤を棒に振ってしまったが、今年の北津留は特別競輪でも目が離せない存在なのは間違い無い。今年こそタイトル獲得も期待できるでしょう。

準決勝では地元勢の並びや戦いに疑問

二次予選は静かに終えたものの、準決勝の並びから平原を中心に荒れ模様となった。今年からSS班となった深谷に地元埼玉勢がつくというのだ…

地元を背負った深谷はなりふり構わず先行するので正直嫌な予感しかしなかったが予感は的中。SSになっても深谷深谷であった。つっぱり、自ら別線を牽制、捌き、逃げ。そして最終2センターあたりでは力尽きてしまったのだ。

正直SSが他地区の先頭で死に掛けとも言えるような走りをするのは見たくない。それは走っている選手も同じでは無いのだろうか?そして深谷が地元を背負った時にどういう走りをするのか、知らないはずない。

どういう経緯かはこちらまではわからないが、埼玉がついていいか、深谷に聞いたのであればそれは埼玉勢にも問題はあるだろう。いくら地元とはいえ、地元のエース平原の名で呼ばれる記念であっても…単騎の深谷を負かして決勝に行くべきだと思った。

もう一方の準決勝のレースでは埼玉の森田の宿口がついたレースでは逃げた森田に番手の宿口は何もすることなく別線に叩かせたのだ、宿口は別線の3番手に切り替え1着という結末に某放送でも苦言を呈されていた。

この時点で埼玉は決勝に5人も上がることになったが、いずれにせよ勝ち上がり方に問題があったように思えた…

決勝 関東のお家芸?死に駆け

もはや関東のお家芸と言っても良いのではないか。死に駆けである。

記憶に新しい昨年のオールスターでは4車で吉田拓矢が暴走失格するほどの死に駆け、その後はタイトルホルダー直々の死に駆けを見せた立川記念の決勝。こちらは地元の高橋を5番手に置いて5車で行われた。

幾度となく、死に駆けについては語って死に駆けという戦法自体は否定しないが、今回に関してはこの作戦を実行するまでの過程がどうも賛同できない。

そして今回も案の定やってきた。(あえて、この表現をさせていただく)

立ち向かうのはSS清水裕友か、初日にタイトルホルダーをまとめて倒した北津留翼だが、北津留は初手後方になり誘導切りに脚を使い一度前へ。その間、清水は6番手で脚を溜める。そして打鐘すぎから死に駆け開始。

清水は500バンクということもあり冷静にじっくりとギリギリまで脚を溜める。宿口が番手発進した2コーナーすぎ、最終バック手前から仕掛ける。

その瞬間、脚が違った。瞬く間に捲った。

清水に合わせて北津留も仕掛けたが届かず3着、清水は番手の稲垣をも置き去りにするほどのスピードで2024初陣を見事、優勝で飾った。

お家芸ついに破れる

関東のお家芸と揶揄したが、ここにきて敗れた。まず前置きとしてSS清水裕友の脚が素晴らしかったのは言うまでもないが、敗因はいくつかあるだろう。

まず並べば並ぶほど良いというわけでもない。いや確かに数の有利は力の有利であるのは間違いないが、それぞれの並び、位置に応じて役割を果たして力が発揮するということが奇しくも今回、示されてしまった。

今回の並びは先頭から太田、宿口、平原、中田、山田と続く。

500バンクの大宮であるのに対し打鐘から太田が全力で駆けるものだから、宿口は2コーナーから発進することに…大宮の2コーナーといえば400バンクでいえばホームから1コーナー付近であろう。そんなところから宿口がゴールまで駆けられるはずもないのはわかっていなかったのか。いや大宮は地元バンクだ…

オールスターでは吉田から眞杉の1コーナー付近の発進。立川記念では眞杉から森田の2コーナー終わりの発進。それも400バンクということを考えると今回はいかにも滑稽な姿を晒してしまった。

 

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関東は脱・平原へ

埼玉を、関東を長きに渡ってまとめてきたのは誰しもが認める平原であろう。

今回も平原を中心に戦っていたのはわかる。が、今や平原もS班ではない。今回その象徴として宿口が番手を主張したという。以前、宿口の後ろは回れない。なんて言われたこともあったそうだが、状況は変わっているということだ。これは関東にとっては良いことだろう。平原のここ半年の実績を見ても、関東はいつまでも平原を中心にやっているようでは地区としての成長も危ぶまれるからだ。

どの世界にも言えるが、年長者が長きに渡り支配していたり、過去の栄光をいつまでも掲げている組織は良いものでないことが多い。

眞杉、吉田拓矢、森田などの若い力を中心に関東を盛り上げていってほしいものである。

 

平原のこれまでの功績は素晴らしいものである。これは誰もが認めるものであろう。晩年になり、衰え、堕ちていくのは仕方ない。本人が1番辛いのかもしれない。ファンもそれを見るのは辛い。しかしそれは高い位置にいた人の宿命だろう。高い位置にいた人しか堕ちる事はないのだ。自らの功績を汚さないためには、コメントや立ち振る舞いにかかってくるのではないだろうか。SSの番手で勝ち上がる姿より、ラインの為に走る平原。負けたとて全力で走る平原が好きなんだ。

いや、欲をいうなればもう一度、赤パンを履いてGPの舞台に戻ってきてほしい。そこで復活のGP制覇なんて素晴らしいじゃないか。

 

頑張れ、平原康多

 

KEIRINグランプリ2023

年末の大一番KEIRINグランプリ。優勝賞金1億円以上という金額の大きさや、その年のG1勝者と賞金上位者、9名ベストナインの戦いから競輪界最高峰のレースと言われています。

競輪界にとどまらず、全世界にたくさんある自転車競技の中で世界一賞金が高いのが、KEIRINグランプリなのです。参考までにあのツールドフランスで個人総合優勝者で約5000万円程度。実はここにも競輪の良さがたくさん詰まっているのです。話すと長くなるのでまた別の機会に…

〇〇決定戦?きっかけ?お祭りレース?

勝者にはグランプリレーサーの冠がつきますし、大きな賭け金が動くこともあり、ここに賭けているという選手やファンも多い。

個人的には賞金王や最速を決定するという見方というよりはお祭りレースという感覚が強い。

純粋に競輪という競技を楽しむにはこの一発勝負というレース方式は面白味に欠ける。競輪の最速や最強を決定するにはラインという存在を無視できないし、個人やラインの勝ち上がり、並びなどの複雑な要素をたくさん含んでいるし、それが競輪の面白さだからだ。

とはいえ初めてみる人やきっかけとしてKEIRINグランプリは重要な役割を果たしているし、その年の最後に行われるので、一年間の戦いが予選という見方もあるでしょう。

さまざまな楽しみ方ができるのがKEIRINグランプリ。

 

ヤンググランプリ

グランプリシリーズ第一戦はヤンググランプリ。

ヤンググランプリは開催当年、前年、前々年と3期にデビューした選手で競争得点上位者が出走する。賞金は470万円でレースグレードとしてはG2扱いである。

注目は記念や特別戦線でも大活躍の北井佑季や犬伏湧也。ナショナル勢から太田海也と中野慎詞の4人。普段自力でやっている選手やナショナル勢が多く選出されるので力と力の戦いになりやすく、インターナショナルルールのケイリンに近いレースになることが多い。

普段ラインを背負って先行レースする選手は単騎としては迷いが出る可能性があり、一方でナショナル勢はラインを背負うことが多くないので中野か犬伏に展開が向くかと思ったが、中野は早めに前にでたのが仇となり、内に包まれてしまった。

赤板からは犬伏と太田海也のマッチレースとなった。太田は約1周外を回されたにも関わらず、太田海也が犬伏を叩きそのまま勝ち切るレースとなった。

G1優出3回を誇る犬伏はケタ違いのフィジカルでここまでやってきたと言っても過言ではないだろう。その犬伏を力でねじ伏せた太田の強さもまたフィジカルであった。

犬伏はレース後のコメントで脚余してしまった。といっていたが見てる限りはそうは見えなかった…いや内側を走って叩かれて脚を余すとはあってはならないと思う。

むしろ負け惜しみなら安心、本当に脚を余していたなら2024シーズンは心配である…

 

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ガールズグランプリ

グランプリシリーズ第二戦はガールズグランプリ。

ヤングと違い、レースグレードがGPというもののガールズグランプリの賞金は700万円でグランプリと比較すると見劣りするのは否めない。最速や最強の決定戦という位置付けには1番相応しいのがガールズグランプリのような気がする。

競輪祭で物議を醸した敗戦があった佐藤水菜だが、グランプリでも圧倒的1番人気になった。

レースは初手から佐藤水菜を3番手の絶好位置に収まり、そこからレースはほぼ動くことなく佐藤水菜あっさり捲り、グランプリ初制覇となった。

そこからレースはほぼ動くことなく。と表したのは誰が見ても佐藤水菜3番手は勝ち目が低くなるのは明白、初手から3番手に収まっていたので何かしら抵抗はできたのではないだろうか?佐藤水菜が動いてからでは、時すでに遅し。他6人は誰かしら動くだろう。という気持ちが他6人にあったとしか思えない。

たしかにガールズは単騎戦なので動きを見せると不利になりやすいので動きづらいのも事実。誰かが動いてくれ。という気持ちもわかるが、奇しくも競輪祭もグランプリも似たようなメンバーで似たような負け方をしているではないか。

競輪祭ではレース後に「あぁなるだろうな」とコメントした選手がいたがそう思っていたならレース中に何かしら抵抗はできただろう。そう思って何もぜず、誰かが動くのを待って、結果負けて、そのコメントは意味を成さないだろう。なんの為に周回があるのか?このままだとガールズケイリン自体がつまらなくなってしまいかねない。

さらにグランプリやG1などのビッグレースに慣れているのはやはり世界戦を戦っているナショナル勢だろう。G1こそ新設されたものの結果的に国内で戦っている選手はビッグレースでは消極的になり結果的に負けてしまっている。

 

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グランプリ

KEIRINグランプリ。選ばれし9人の戦いである。賞金は言わずもがな賞金1億3700万円。

新山のつっぱり、脇本のカマシ深谷の捲り、松浦の切り替え、眞杉の末脚とそれぞれの良さがでた、見どころはたくさんあり、グランプリらしいといえばグランプリらしい熱い戦いであった。

新山はSSになり迷い、スランプになった時期もあったが自分の走りを貫き、グランプリでもその走りを魅せてくれた。そのスタイルは現代のスピード競輪の象徴でもある。つっぱり先行というブームを(という表現が正しいかどうかわからないが…)巻き起こした。スピード競輪では一つの成功法になりつつある。無論、脚があることが絶対条件である。

グランプリでも脇本を苦しめたのは間違いない。競輪に限らず勝負事に たら、れば、もし、はないが、もし突っ張っていれば新山の勝利もあったかもしれない。

新山を叩いた脇本はここでかなりの脚を消耗したのはレース結果からもわかる。古性に絶対有利の展開だったが…

深谷はこの新山と脇本のやりあいを想定していたのだろう。新山がつっぱりに成功しても脇本が叩いたとしてもその瞬間から捲ろうと決めていたような捲りであった。

スタートを見ても5番車でありながら北日本の後ろにつけようというのが見て取れるスタートであった。

清水も深谷と同じ考えだったかもしれない。しかし位置が悪く、仕掛けるタイミングも早くなってしまった。そこで深谷に切り替えたのが松浦であった。単騎深谷の番手に入ることに成功。深谷の強烈なスピードに乗り最後は深谷を差し、グランプリ初制覇である。

悲願のグランプリ制覇である。トレーニング以外にも食べ物などに制限し、ケガに苦しみ、戦い抜いた1年。

勝利者インタビューでは男泣きを見せた。この男泣きに感動したファンも多くいたのではないだろうか…

眞杉は車番的に北日本の後ろが想定され、まさに深谷の仕掛けを眞杉がやると思っていた人も多かったのではないだろうか?実際、眞杉は人気になっていた。深谷のスタートが良すぎたため後方からになったが強烈な脚で古性さえも抜く3着。この脚を見れば2024年も活躍間違いなさそうである。

各々思うことはあるだろうが、個人的にSS 9人による一発勝負で最速や最強の決定戦というにはやはり少し無理があるだろう。2023年の最強や最速を決めるとするのであれば、1年間大きく戦線を離脱することもなく、同一年でG1を3勝をした古性優作ではないだろうか。

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