K5(けーご)の競輪、自転車談義

人生はそろそろ打鐘周回へ…

2024 UCIネーションズカップ 第1戦 最終日

大会2日目の

女子スプリントと男子ケイリンの様子はこちらから↓

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女子スプリントと男子ケイリンの結果を受け、良い流れで迎える大会最終日は女子ケイリンと男子スプリント。

しかし、ここまでここまで金メダルはゼロという結果は、競輪の国としては少し寂しいものである。

最終日も日本のエースは佐藤水菜と太田海也だ。

佐藤はかつてケイリン世界選手権で2年連続で2位になるなどスプリントよりケイリンのが良い結果が出ているし、太田もスプリントではあの最強ラブレイセンから1本取るなどスプリントを得意にしている。

日本に金メダル獲得を。と、期待は高まった。

女子ケイリン

1回戦は1着のみ勝ち上がり、残りは敗者復活戦も1着が準決勝へ。

準決勝は上位3名が決勝へ。という男子同様の勝ち上がり方式である。

まさかの最下位

佐藤は仕掛けどころがなく、1回戦でなんと6着となってしまった…

他の日本選手も1着を1着をとる事なく、全員が敗者復活戦へと回った。この段階では、かなり雲行きが怪しげであった…

逆転勝利への秘策?

この佐藤の6着をポジティブに捉えるとするのであれば、1着以外は全員が敗者復活なので、脚を使って2着より、脚を使わずして6着のが良いと捉える。仕掛けどころがなく6着だった佐藤は脚を温存できたかどうかはわからないが、敗者復活戦では、序盤から位置を上げ、危なげなく1着で準決勝進出を決めた。

他の日本選手は敗者復活で勝つことができず、ここで敗退となってしまった。

準決勝は3着までが決勝進出することができる。

佐藤は残り1周まで後方5番手であったが、残り半周で加速して前を交わし3着。

ここでも脚を目一杯使って1着より使わずして3着に入り、決勝で脚を使った方が良いわけである…

いや負けたら終わりなので、選手は3着狙いなわけないはずだが…

ただ準決勝と決勝の佐藤の走りを見返してみると、脚を戦略的に溜めたのでは?とも思えるクレバーな走りであった。

決勝

かつて2度(2021、2022の)ケイリンで世界2位を獲得した佐藤を2度とも負かしたのはフリードリッヒであった。

そのフリードリッヒも決勝にいた。ここで金メダルを獲得と共にフリードリッヒに勝つことができれば今年のスタートとしては最高のスタートとなり、世界一がかなり近づくことになるだろう。

決勝メンバーは内からケープウェル、佐藤、ジェネスト、フィヌケイン、フリードリッヒ、マーシャンであった。フリードリッヒとマッチレースになるかと予想した。

が、予想は外れた…

佐藤の圧勝だった。2番手からレースが始まるもフリードリッヒ、フィヌケインがが位置を上げるも全く動じない佐藤は4番手に下げる、残り2周ではあのフリードリッヒが先頭にたった。スピードはどんどん上がっていく…厳しいか?と思った瞬間、佐藤のスピードが上がった。佐藤は冷静だった。

残り1周で前の3人をのみ込んだ。そのまま押し切り優勝。

佐藤水菜と太田海也が金メダル獲得! パリ五輪へ期待ふくらむ / UCIトラックネーションズカップ3日目 | 競輪ニュース -  netkeirin(ネットケイリン)

23年のグランプリ女王は世界を相手にしても女王だった。

佐藤水菜の世界制覇はすぐそこまで近づいている。

 

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男子スプリント

スプリントでもライバルのハリーラブレイセンが不在の今大会、ここで是が非でも金メダルを取りたいところ…観衆の多くも同じ思いであっただろう。そんな太田に立ちはだかるのは、リチャードソンと男子ケイリンで金メダルを獲得したアワンだろう。

リチャードソンはあのラブレイセンからチャンピオンズリーグのスプリント種目で勝利し、22年には総合優勝の実績もある。

アワンは多くの日本人と対戦実績がある、脇本、新田、深谷、渡邉一成など多くの日本人が苦しめられてきた。前日のケイリンでもそうだ。それほど長きにわたって自転車短距離界のトップに居続けるいわばレジェンドである。しかし、もう負けられない。

予選

予選は200mタイムトライアルで行われた。

太田はなんとここで9.595というタイムを出し、リチャードソンに次ぐ2位のタイムでシード権を獲得し、2回戦からとなった。

2回戦 準々決勝

太田の対戦相手は1回戦で中野を破ったドイツのスピーゲルであったが、ここはなんなく快勝。

そして準々決勝、太田の相手は日本の小原であった。日本人4名出場して準々決勝で潰しあってしまうのは非常にもったいなかった、しかしここは仕方ない…

2本とも太田が先行逃げ切りで勝利。

予選のタイムトライアルでもわかるように非常に調子が良いように感じた。

準決勝

勝ち残ったセミファイナリストは

太田海也

グレーツァー

リチャードソン

アワン の4名である。まさしく相手にとって不足なし。言ったところである。

太田の相手は2018年のスプリント世界チャンピオンのグレーツァーだった。

それでも太田は臆することなく果敢に攻めていく。

1本目

グレーツァー前、太田が後ろという並び。互いに牽制し合い、一定の距離を保ったまま残り1周でグレーツァーが仕掛け、太田も仕掛ける。徐々に距離が詰まり、最後は太田が半車輪差を交わして勝利。

2本目

圧巻の勝利だった。

並びが逆になったが元世界王者相手に前に出さないどころか寄せ付けず、圧勝と言っていいであろうストレート勝ちだった

元世界王者からストレート勝利をあげた勢いは凄まじい。決勝の相手であるリチャードソンからしてみても同国の元世界王者の凄さは誰よりもわかっているはずだ。そのグレーツァーがストレート負けを喫するのだから、脅威であっただろう。

決勝

予選タイムは1位と2位の2人、ここまで互いにストレートで勝ち上がってきたもの同士の頂上決戦となった。

1本目

太田が前という並び。相手の動きだしに太田が合わせる形になり完全に主導権を握られ、大差をつけられ1本目を落とす。

2本目

太田は後ろからスタート。早めに仕掛け残り1周の残して太田は先頭に出る。リチャードソンも番手に入り仕掛けるが太田の逃げ切りだ。

太田は1本目のミスをすぐさま修正してきた。後がないこの状況でこの仕掛けができたのは強さの証だろう。見ていて気持ちの良い勝ち方であった。

3本目

太田が後ろとなり、最後のレースとなった。

リチャードソンは後ろから攻めたいのか、時折スタンディングになるような格好で太田を誘い出す。しかし太田は冷静にこと誘いには乗らず、スタンディングで応戦。

スーローペースでレースは残り2周まで進む。リチャードソンはペースで加速していき少しづつ太田との距離を広げにかかった。そして最終周回に入った瞬間に加速。

一瞬、太田の踏み出しが遅れたように見えた。残り半周を切っても差はそこまで縮まっていなかったが、3コーナーからの太田の加速は異次元であった。スピードが違った。4コーナーで迫り、最終ストレートで抜き去り、見事優勝。

 

 

日本が誇る2人

ラブレイセン不在とはいえ、この太田の強さをみるとラブレイセンがいても勝てたのではないかと思う。それほど強いレースであった。

確実にパリオリンピックと世界選手権での頂点が見えている。

個人的にはオリンピックより世界選手権を獲ってほしい。世界王者(女王)に贈られる証、世界チャンピオンジャージ”アルカンシェル”を身にまとう2人を見たい。

スプリントとケイリンで世界を制圧する夢をファンも見ている。叶えてくれる可能性が1番高いのは今、間違いなく太田海也と佐藤水菜の2人だろう。

 

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