今年で3回目を迎えたUCIトラックチャンピオンズリーグ
今年も全5ラウンドで争われる。日本からは橋本英也がエンデュランス(中距離)で出場決定。
- UCIトラックチャンピオンズリーグ
- 種目
- 選考方法
- 開催日程
- エンターテイメント
- 橋本英也はどこまで戦えるか
- ブルージャージ
- 賞金
- 日本にも可能性
- チャンピオンズリーグを取り入れるべきいくつかのポイント
UCIトラックチャンピオンズリーグ
2021年にUCI(世界自転車競技)がトラックレースの新たなプロリーグとして開催した。ヨーロッパで11月〜12月頃に行われ、同一選手で全5ラウンドをポイント制で争う。チャンピオンズ”リーグ”と名の通り、個人のリーグ戦のような大会である。
種目
競技は男女ともにスプリントとエンデュランスとカテゴリー分けされ、各2種目、合計4種目行われます。
スプリント(短距離)
スプリント ケイリン
エンデュランス(中距離)
選考方法
オリンピック、世界選手権などで優秀な成績を収めた選手に出場オファーを届くトラック競技のスターを集めた招待制の大会である。
スプリント、エンデュランス各18名ずつ男女72名
開催日程
今年は自転車競技同一開催の世界選手の影響で今年は例年より早く10月21日より開催。
第1ラウンド 10月21日(土) マヨルカ(スペイン)
第2ラウンド 10月28日(土) ベルリン(ドイツ)
第3ラウンド 11月4日(土) サンカンタン・アン・イヴリーヌ(フランス)
第4ラウンド 11月10日(土) ロンドン(イギリス)
第5ラウンド 11月11日(日) ロンドン(イギリス)
エンターテイメント
選考方法にもわかる通り、実力者しか出場していないわけだが、エンターテイメント性も充実しており場内は照明が鮮やかになっていたり、リズミカルな音楽が流れていたりととても盛り上がりを見せる。
UCIとしても自転車競技普及が目的であるためにエンターテイメントにも力を入れているということがよくわかる。日本の自転車界一のエンターテイナーと言っても過言ではない橋本英也には大抜擢の大会である。
橋本英也はどこまで戦えるか
エンターテイナーとして抜擢の橋本はもちろん、自転車の実力も申し分ない。
橋本の主な世界戦の結果は以下のとおりだ。
2017ワールドカップオムニアム 2位
2017アジア選手権オムニアム 1位
2018アジア大会オムニアム 1位
2018アジア選手権オムニアム 1位
2019アジア選手権オムニアム 1位
2020ワールドカップオムニアム 3位
2021東京オリンピックオムニアム 15位
2023世界選手権エリミネーション 13位
アジアではほぼ敵なしと言って良いだろう。世界ではまだ1位の戦績はないが、あと一歩のところまで来ているのは間違いないし、もちろん1位を目指してほしい。チャンピオンズリーグはオムニアムに比べ半分の2種目(非公式でポイントレースが行われているらしい)というところが、吉と出るかどうなのか。無尽蔵なスタミナをもつ橋本には競技数が多い方が有利にはたらく気もするが… お祭り男はお祭りの雰囲気をプラスの力に変えるだろう。
表彰台は間違いなく狙えるだろう。いや、個人総合1位を期待しよう。
ブルージャージ
チャンピオンズリーグではスプリントとエンデュランスともに個人総合トップの証として着用が認められるのがブルージャージというものがある。
第1ラウンドの結果を受けて第2ラウンドから最終ラウンドまで、その時の総合トップが着用し第5ラウンド終了時のトップが総合優勝となりブルージャージ獲得となる。
ツールドフランスでいうマイヨジョーヌと同じであり、これが非常にかっこいいのである。
賞金
2022年の賞金を紹介しておくと各ラウンド各種目において10位以内の選手に賞金€1000(約15万)総合優勝者には€25000(400万)が贈られる。
日本の競輪のG3記念開催程度ではあるものの、大きな違いが一つ。
男女ともに同額の賞金であるということだ。
日本にも可能性
最後に話はそれるが、このチャンピオンズリーグの盛り上がりを見ると日本ではさらなる盛り上がりを見せる可能性を秘めているのではないかとと考えてみる。
そう、不人気で有名な250バンク使用のラウンド制自転車競技。PIST6である。
チャンピオンズリーグ同様エンターテイメント性を取り入れているが成功にはまだまだ程遠いが、世界では成功している大会があるというのは今後の可能性としては大きい。
競技人口の問題から男女同額の賞金であったり、世界的なスター選手の招聘であったりハードルが高いところは多くあるが、ハードルが低い(と思う)部分も大いにある。
チャンピオンズリーグを取り入れるべきいくつかのポイント
種目の増加
PIST6に一番取り入れてもらいたのはまずこれである。現時点でケイリンだけの開催なので、チャンピオンズリーグを真似てまずはスプリント、エリミネーション、スクラッチを実施してみてはどうだろうか?脚質が中距離のため競輪ではなかなか厳しく日の目を見なかった選手が舞台を変えて輝くこともあるかもしれない。
女子選手の参加
ガールズケイリンはもともとカーボンフレームの使用であったり、国際基準に近いルールで行われていることと、ガールズ選手の人気が右肩上がりであることと、ガールズケイリンは周長が短くなればなるほど勝負が面白くなる傾向にあるのも理由だ。
ベッティング
今、世界ではスポーツベッティングが異様な盛り上がりを見せている。スポーツベッティングのパイオニアである日本の競輪。
この”賭け”を取り入れて競輪、ケイリン以外の自転車競技で車券発売が行われれば、チャンピオンズリーグにはないどころか、世界初の試みとなるのではないだろうか?
スクラッチやエリミネーションでの車券発売、オムニアムはDokantoのようにしたら盛り上がると思うのは私だけだろうか?