10月21日から開幕し約1ヶ月にわたり開催されたUCIトラックチャンピオンズリーグ2023もついに最終戦。第4戦同様イギリスはロンドンのリーバレーベロパークで行われました。
第4戦を終えて橋本は首位ビビックとの差は30ポイント。
そう。第4戦を終えた時点で総合優勝は、ほぼ絶望的であったのだ。
橋本が総合優勝するにはスクラッチとエリミネーションで両方とも上位で終えるだけでなく、ビビックやティドボール、ヘステルスらのミス、少ポイントが条件だった。相手には常にリスペクトしミスを願うなんてことはない。ましてや相手は世界トップ選手達だ。
それくらい総合優勝は厳しい状況にあるということだった。
それでも一つでも順位をあげてほしいと声援を送った。
スクラッチ
残り5周時点で4名が逃げるも総合上位陣が4名の中にいないため、集団はこの4名を追わなかった。4名のうち2名が地元イギリス勢、ワンツーを決め場内を沸かせた。
橋本は集団前方でレースを走り、ビビックには最後交わされるも、ティドボール、ヘステルスより先着してみせた、集団内で5番目(9位)でレースを終えた。
しかし、この時点でビビックとの差は33pt、つまり逆転不能になり総合優勝が消えた。さらにビビックは総合2位のティドボールとの差が20ポイントになったことにより、エリミネーションで14位以内に入り、1ポイントでも獲得すれば総合優勝ということになった。
エリミネーション
第3戦の悲劇再び…
総合上位で前方スタートであるものの直後から後方におかれる展開になり、2人目でエリミネートされてしまった…獲得ポイントは第3戦同様0ptとなり、総合順位は各選手の結果次第となった。
ビビックは11人目のエリミネートとなるが、総合優勝確定。
エリミネーションはへステルスが2位になりベルギーワンツーで終わった。
最終リザルト
1位 Dylan BIBIC(カナダ)131pt
2位 William TIDBALL(イギリス)117pt
3位 Jules HESTERS(ベルギー)113pt
4位 Mark STEWART(イギリス)104pt
5位 Philip HEIJNEN(オランダ)100pt
6位 橋本英也(日本)93pt
初戦から日を追うごとに順位を落としていった橋本。
調子を落とした原因の一つとしてコンディショニングは非常に難しいのは想像に簡単である。日本代表としての参戦ではないため、コーチなど不在で橋本個人での遠征となったことや、レースは連戦ではないものの約1ヶ月という長期にわたって海外生活が強いられたことは非常に難しかった部分でもあるだろう、一方で経験としては橋本をさらに強くしたのも確かだ。橋本本人も「人として成長できた」というコメントを残している。
欧州へ与えた衝撃
結果を見ても快挙であり偉業である。
ブルージャージを2ステージに渡って着用したという事実は、欧州に大きな印象、衝撃は計り知れない大きなものであるだろう。
橋本英也の功績は日本の自転車界にとっても大きな功績であり、資産である。ブルージャージの着用経験は橋本しかいないわけで、これは次世代に伝えていってほしい。
そして次世代はブルージャージ”着用”から”獲得”へ変わる日を楽しみに。