愛知所属だった深谷が静岡に移籍してもう何年経つのだろうか。ずいぶん前のような記憶もあり。ついこの間だったような気もする。
深谷が初日特選を1着勝利を飾ると「おかえり」なんて声も上がっていた。
初日特選には今年のG1決勝に乗っている選手がなんと6人も揃っていたが。それをしっかり勝ち切る深谷。もはや地元のような雰囲気すら感じさせていた。
深谷優勝か…
初日の捲り、直線のスピードを見ると深谷頭ひとつ出ているな。地元3割増か?なんて声もちらほら出ていた矢先、2日目に打鐘から久々の先行勝負に出た深谷は最後差されギリギリ3着入線。3日目は前日差された悪いイメージが残ったか?仕掛けが遅れなんとここで敗退…結果だけ見ると2日目3日目の内容は良くなかったが、オールスターに共同通信社杯と夏のスケジュールに疲れもあっただろう。寛仁親王牌まで復調することを願っている。
町田太我の秘めたるポテンシャル
一方で4日間、先行してバックを取り続け、最終的には優勝までしたのが町田太我であった。町田の真骨頂は先行だが、4日間バックを取るのは積極性も戻ってきている証拠だろう。
4月の高知記念では脇本相手に逃げ切りを決めていたりとかなりポテンシャルを秘めている町田。ヨコにはめっぽう弱いが、弱みを克服するより強みである先行力を高めるのも良いだろう。先行力がとても良いので新山のような徹底先行に徹してツッパリの技術や抑え先行力を磨くなどすると新山と同じような位置に行ける可能性も秘めているのではないだろうか?新山を支える北日本の名番手陣に負けず劣らずの名番手が中国地区にはいる。
番手松本
今回町田の番手に回ったのは松本で失格にはなったが、町田の先行を活かそうと後続を抑えた松本の狙い自体はとても良いものであったし、結果町田が優勝することができた。
しかし、やはりレース後は松本批判が多かった、失格になっているのでこれ自体は当たり前である。擁護できないだろう。危険も伴うしルールなのでしっかり反省してもらいたいところである。競輪はギャンブルなのでお金を失った腹ただしさから選手批判もよくあることでこれも仕方ないだろう。選手の宿命だ。
しかし視点を変えてみてみると今回のレースは”番手松本”にとっては良い経験になっていると思うのは私だけだろうか?誰しも最初から番手が上手くできるわけではない。どんな一流な選手も失敗を繰り返し、時にはとんでもない失敗をしているケースもある。やがてできるようになっていくのである。ましてや番手は練習ではできないことが多くレースで覚えることが多いとの話も聞く。
自力も出せて番手も回れる同地区の清水裕友という良い手本がいる。清水のような素晴らしい選手になれる可能性を松本に感じる。今回の失格をどう活かしていくのかも含め今後の松本貴治に注目だ。
松本貴治の失格の裏に見えた四国勢の脅威
当たり前だが、番手松本は町田の時だけなんてことはない。これからもことあるごとに番手に回るだろう。ましてや四国には犬伏を筆頭に良い自力選手がいる。
中四国となれば、SS松浦悠士に清水裕友、太田海也、犬伏、松本貴治、佐々木豪、そして今回優勝した町田太我と付け入るスキがないほどの布陣だろう。”番手松本”は周りが思っている以上に脅威かもしれない。
松浦、清水で勝利を量産しゴールデンコンビなんて言われていたのはもはや過去のもので中四国がスター軍団と化し勝利量産体制に入るのもそう遠くないのかもしれない。