K5(けーご)の競輪、自転車談義

人生はそろそろ打鐘周回へ…

九州の結束?結束とは? 佐世保記念【G3】九十九島賞争奪戦

九州のボスやドンと呼ばれ親しまれてきた荒井崇博。

これまで佐賀所属でやってきたが、2022年に通算500勝達成時のインタビューで出身地である長崎へと移籍を表明した。

時に、九州には他地区に比べ同県と同じくらい”九州地区”としての絆の強さと感じることがある。なのでこの荒井の移籍はなんの影響もないと思っていた…

荒井の存在感、九州地区としての絆の強さ、これは他の人にはどう映ったのか。

移籍後初めての地元記念なり、前検日から気合が入っていた。

初日特選 まさかのアクシデント

初日特選に乗れることが決まった荒井にまさかのアクシデント発生。

特選で前を任せることになった嘉永がインフルエンザで欠場ということだった。

前を失った荒井はなんと北井の後ろに回ることになった。

荒井が北井についていけるか?などと言われたが二車単 荒井–北井で9.9倍 北井–荒井で16.4倍は地元であることに荒井への期待の表れだった。

荒井は打鐘からカマシた北井についていき、最後差すというなんとも荒井らしい。勝ち方で期待に応えたのであった。

レース後は2車だったので内から抜かれないようにだけ注意した。ワンツーなら最高だった。と言うが2着に入った徳島の小川真太郎も終始荒井の後ろにつけていた、隠れ3車ラインのように見えた人もいるだろう。ラインで独占と言っても良いだろう。

二次予選 九州の絆は番組屋まで

”九州の絆”は選手だけではない。番組屋もである。

熊本記念の時も同じような記事を書いたが、今回も二次予選を勝ち上がった27人中12人が九州勢である。番組編成も偏りがあったと言えるだろう。

結果として、三連単万車券となったのは実に3日目の7Rであった、シリーズ31R目のことである。観衆から見てもいかに簡単にレースが決まってしまっていると言うことではないだろうか?これは九州地区開催のレースはおもしろみがないとも言えるのではないだろうか。

注目の荒井は、というと伊藤颯馬のカマシについていき最後差すという荒井らしい1着だ。

準決勝 疑問残る捨て身

どういう作戦であったがわからないが、1番車の荒井は前受けできず6番手後ろ攻めとなり松本秀之介の捨て身とも見える追い上げで荒井を2番手まで連れていき最後こそ自力を出し勝利したものの、約1周も外を回された松本は最終1センターあたりで力つき敗退。1番車でありながら最後方の攻めになったのは荒井の責任である。それを準決勝まで勝ち上がった松本の自力を捨て身のように扱い、2番手をとり荒井だけ勝ち、決勝へ勝ち上がった。

1番車なら、九州のエースなら、勝ち上がりたいのであれば、せめてSは取るべきだろう。取れなかった時点で松本をあのように走らせるのは違うような気がする。特選ではなく、準決勝なのだから。

決勝 ワガママとは?

準決勝12人いた九州勢は決勝に5人となり、5人車結束し、荒井は三番手という並びになった。この並びの経緯はなんと荒井のワガママであるとコメントしている、どういったワガママなのか詳細は不明だ。同じく地元長崎の井上が4番手ということも非常に気になった。

レースは伊藤颯馬のツッパリ先行から久島も駆ける三段駆けとも言えるようなレース運びから荒井と井上が抜け出し、一騎討ち。3番手から出た荒井に軍配が上がった。

 

九州の戦い方

長崎に移籍して初年度。九州のドンとして長年やってきた荒井のために九州の全員が駆けたと言っても過言ではないだろう。シリーズ通して荒井を中心にやってきた九州勢の戦い方はあっているのだろうか?若手が育っていくには良い環境なのだろうか?

無論、ここまでしてもらっても勝つのが難しいのが競輪であり、勝ち切ったことは素晴らしいことである。しかし、九州の将来を考えると敗退した方がよい方向に向かった気もする。

そして何より、長年、長崎でやってきた井上はこれでよかったのだろうか。この記念も決勝まで1着で上がってきている。井上だって優勝したかったはずだ。4番手は納得だったのだろうか?コメントにあったワガママというのも気になる。ワガママが通るのは果たして荒井の人望なのだろうか?優勝者インタビューで、ラインへの言葉はなく、自らの来年のグランプリ出場を口にしたくらいだ。

 

有望な若手がたくさんいる九州に今、必要なのは”脱・荒井”かもしれない。

 

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