K5(けーご)の競輪、自転車談義

人生はそろそろ打鐘周回へ…

アジア制覇!世界制覇への序章

9月23日から10月8日まで中国・杭州で行われた第19回アジア競技大会自転車競技トラック日本代表がメダルラッシュの快挙を成し遂げてくれた。

大会前より日本のトラック競技、特にケイリンとスプリントは、あくまでも世界標準でアジアではほぼ敵なし、圧倒してくれると信じていたが、ほぼその通りになった。

アジア版オリンピック

インドの提唱により開始されたアジアの国々のための総合競技大会。とある。

つまりはアジアの国だけで行うオリンピックという見方でおおよそ間違いない。オリンピック同様、夏季冬季4年毎に行われる。アジアNo.1を決める大会と言っても良いだろう。

オリンピック、世界選手権、アジア競技大会アジア選手権

言って良いだろうと書いたのは、自転車競技では世界一を決めたり、大陸一を決める大会が主催者違いでそれぞれ行われているからである。

オリンピック委員(IOC)が主催の世界一を争うのがオリンピック。アジア一を争うのがアジア競技大会。4年毎開催。

国際自転車競技連盟(UCI)が主催の世界一を争うのが世界選手権、アジア一を争うのがアジア選手権である。毎年開催。

世界選手権10連覇

どちらが格式が高いとかはないが、IOC主催大会は4年毎開催なので選手人生で出場できる回数は多くても数回だろう。一方UCI主催大会は毎年挑戦できるのが大きな違いだろう。

個人的には自転車の世界一の証であるチャンピオンジャージ、アルカンシェルが贈られる世界選手権やアジア選手権のが輝かしく見えるし、自転車競技者はアルカンシェルに憧れは絶対にあるはずだ。そう、あの中野浩一氏は世界選手権を10連覇し、このアルカンシェルを10年続けて着用したというのは伝説であり、世界でも伝説として語り続けられているのは同じ日本人として誇りである。

トラック日本代表メダルラッシュ

”個人で金メダル獲得の競輪選手”は以下

佐藤水菜(ケイリン

佐藤水菜(スプリント)

太田海也(スプリント)

窪木一茂(オムニアム)

女子はケイリンとスプリント二冠

佐藤水菜はケイリンとスプリントで二冠を達成。ケイリンでは1回戦から決勝まで負けなし完全優勝。スプリントも予選の200mでアジア選手権で太田りゆが叩き出した日本記録を上回る10.587を出すなど序盤から好調をキープ。準決勝も決勝も相手をよせつけず1本も落とすことなく優勝。どちらも負けなしの完全勝利、完全優勝である。何より研究され対策されているにも関わらず負けなしの完全優勝を成し遂げるところに佐藤水菜の本当の強さがあるだろう。今、世界一に一番近い場所にいるのは間違いなく佐藤水菜である。パリオリンピック、世界選手権で二冠達成の偉業を成し遂げてもらいたい。

一方でアジアチャンピオンの称号を背負い挑んだ太田りゆはケイリン6位、スプリント3位と本来の力を発揮できなかった。悔しさはあるが、スプリントでは準決勝と3位決定戦ではどちらも3本目に突入するというものすごくハードスケジュールの中で最終スプリントを勝ちとるというのは太田りゆの強さが証明されたレースにもなった。

男子ケイリンは不運も重なりメダル獲得ならず

スプリントでは1本も落とすことなく金メダル獲得の太田海也と世界選手権3位の中野慎詞と万全の布陣で挑んだが、太田海也は準決勝で香港選手の失格に巻き込まれ敗退。中野は決勝で中国選手の奇策に手も足もでず4位…悔しい、世界トップの日本の競輪がアジアで3位と7位という結果は非常に悔しい。中野対策だったのかは謎であるが、普通に戦っても勝ち目がないと判断しての作戦だったのかは謎だが、いずれにしろ相手が一枚上手だった。しかしこれからも間違いなく対策されるし、研究もされる。その各国の日本シフトをかいくぐって勝利を勝ち取らなくてはならない。この悔しさは来年のパリオリンピックの金メダルで払拭してもらいたい。

パリオリンピックへの序章

それでも3人で4種目の金メダル獲得は堂々の結果である。冒頭から何度も書いたが日本のトラック競技は世界標準であり、これは世界一への序章にすぎない。間違いなく2024パリへと続く。

アジアよ、見たか。これが”競輪のチカラ”日本の力だ。

そして来年は日本中をアルカンシェルの虹だらけにもしてくれるだろう。

 

 

ケイリンとスプリントとガールズケイリン

多くの競輪選手が競技ではケイリンとスプリントを選ぶ。とりわけガールズケイリンケイリンを元にルールが作られている。微妙な違いはあるものの2つの競技の違い特性を知るとと見方も変わるし、ガールズケイリンはより楽しく観戦できるだろう。

太田りゆは今年のスプリントアジア選手権で1位。

佐藤水菜は過去に2年連続でケイリン世界選手権で2位になっている。

ケイリン

世界基準の板張り250高速バンクで6名との勝負。

高速巡航中に相手の動きを見極める、頭でより身体で反応。瞬時の判断、フィジカルが勝敗を分けるのがケイリン

スプリント

世界基準の板張り250高速バンクで1対1の勝負。

バンクの特性、相手の特性やクセ、フィジカルはもちろん、分析力と駆け引きが勝敗を分けるのがスプリント。

ガールズケイリンのG1オールガールズクラシック

ケイリンとスプリントの中間に位置するのがガールズケイリンだろう。

ガールズケイリンは7名、バンクが333/400/500でギア規制やNJSパーツ規制があるなかで行われる。

 

10月2日から4日まで行われるG1オールガールズクラシックは333バンクで行われ、佐藤水菜と太田りゆも出走予定である。

アジア1いや世界クラスの実力を国内の競輪で見れる。そして日本の競輪のレベルの高さがわかる。なぜならナショナル組でもガールズケイリンで勝つのは簡単ではないからだ。