共同通信社杯 2日目二次予選12Rの最終周回1センター付近で起こった、古性優作のバイクコントロール、自転車捌き。なんとも見事なプレーでした。
某ニュース番組のスポーツコーナーなら間違いなく「熱盛ィー!」となるでしょう。
古性のフィジカルとバランスとバイクコントロールは今になって騒がれているわけではなく、かねてより卓越したスキルを持っていますが、毎回見ている人を魅了し驚かせてくれます。これは毎回見ている側の想像をはるかに上回っているからに違いない。
競輪の捌きではなく、人間のバランスというそのものの概念を覆していますね。清水もインタビューで「訳がわからなかったっすねー…」と言っていたが、外に弾いた人が次の瞬間、反対側から自分を弾こうとしているわけですからね。そりゃそうでしょうね…
レースに出場していなかったS班の松浦悠士も驚きと賞賛をXでポストするほどでした。
とにかくこれがすごいというのは映像を見ればわかるので、これだけで十分楽しめた方はここまででページを閉じても構いませんが、強くて凄い古性のバイクコントロールとBMXとの関係性を少し紐解いてみました。
バイクコントロールとは
自転車操作のことです。これで終わってしまうと、ほとんどの人が自転車には乗れて操作できるので全然すごくなく終わってしまうので、少し説明すると自転車という乗り物自体、非常にバランスの悪い乗り物です。選手自転車はおよそ8~9kg程度です。そこに人が70kg~ 重い人で90kg程度の人が乗る訳ですから。軽くて小さいものにでかくて約10倍重いものを乗せたイメージをしてみてください。そして地面との接地面は前後のタイヤ幅の約2cmです。さらにこんなバランスが悪いものが時速60~70km/h 出ているのです。これだけで凄いですよね。バンクで競争することだけでも凄いのですが、今回の古性の動きの凄さがわかります。
このバイクコントロールを培ったのがBMXという競技です。なんでもオリンピック出場も目指していたそうです。さすがですね。
BMXとはどんな競技?
たまたま古性のBMXの動画がありました。
見てもらえばわかると思いますが、競輪で使用する自転車より小さく、軽い。さらに未舗装路でレースする訳です。それはバイクコントロールやバランス感覚が培われますよね。という簡単な話なのですが、BMXやっている人全員が古性のようにできるかというとそうではないはずだ。BMXで培われたというのは間違いないと思うが、やはりそこには古性の日頃からの身体へのトレーニングとしての上積みや努力あってのものであることには違いない。BMX出身だからな。で終わらしてしまうには少々乱暴で古性に対する敬意に欠けるでしょう。
番手の名手S班守澤も唸る古性の”重さ”
2022年の全プロ記念で守澤が古性をブロックして見事に勝利したレースで言っていたのが「古性くんは重い、重くて動かない…」と言っていたのが印象的だ。確かに映像を見てみると、外のが不利な位置で通常は外に弾かれやすいがこれは全然弾かれていない。となると今年の共同通信社杯で古性をいとも簡単に弾いた清水のブロック自体もとても
凄いことがわかる。
数秒間に詰め込まれたトッププロの技術
古性を弾く清水のブロック。清水のブロックを受け、弾かれながもすぐさま戻る(これ自体がとんでもないスキルである)佐藤慎太郎を利用し、まさに返す刀で清水の内に入る。これも相手が佐藤慎太郎でなければ間違いなく落車が起こった事象だろう。関わったすべての選手と動きがハイレベルだったということがわかる。その中でも古性優作は群を抜いていた。
競輪をやる(みる)上で自身の勝ち負けはもちろん。選手の勝ち負け以外にもこういったトッププロの技術を見ても楽しいのが競輪だ。
お気に入りの選手を見つけてはどうだろう。